『注意』ここで紹介する内容は、廃用車椅子を実験的に改造したものです。
     危険な作業を伴いますので、あくまで「参考程度」にして下さい。 


  車椅子サイズ改造法
             【フットレスト整備・番外編】


 標準サイズを小型サイズにするには?


介護保険が始まって、リース車椅子のニーズが増えたことで、各社は各種サイズや、微妙な
セッティングの可能な車椅子を数多く投入してきています。
介護保険を使ってリースされる方は、なるべく自分の体に合った車椅子を専門家指導の下で、
定期的に見直してもらうのが良いかと思います。

ここでは、施設内に非常に多い、安価で調整が殆どきかない標準車椅子を話題にしています。
普通の施設では、標準型のスタンダード車椅子をまとめて安く購入し、長期間使用しています。

・・・ですが、全ての施設利用者が標準の体型ではなく、大柄・小柄様々なのです。
大柄で介助量の多い方は、移乗の際に家族やスタッフが結構大変な思いをしてしまいます。
その場合、肘掛(アームレスト)部分が取り外しできれば多少なりとも楽になることもありますし、
小柄な方の場合、足乗せ(フットレスト)位置を、高く手前に変更できれば、より安定して座れる
かもしれません(実際、そのようなケースはよくあります)。  そこで・・・

今回は、この「足板(フットレスト)の位置改造」を試みました!
                       (☆^ー゜)v


標準型車椅子に乗った小柄なお年寄りや、子供を見た方ならお分かりでしょうが、足乗せに
きちんと足が乗らず、ぶらぶらしてしまいます。不安定で危険な状態です。
後ろ(シートの下)に足が落ちない対策として、以前紹介した「フットボックス」を装着する方法も
ありますが、今回は4箇所を改造して、「標準型の小型化(?)」を実現した事例を紹介します。




↑上の画像の車椅子・・・普段のと、少し異なります。さて・・・?どこが違うでしょう??
通常、この状態の車椅子は見かけないと思います。「ありえないタイプ」なのです。。
おそらく、関係者でもわからないと思いますので、下に2枚違う画像を用意しました。




↑これを見ればすぐに理解できるでしょう。左側が正常の車椅子になります。
そうです!フットレストを抜いて左右逆に装着しただけなのです。
これだけで、足の短い人でも手前に足乗せが来たことで、楽に乗せることができましたとさ。
めでたし!めでたし!! 
・・・でも、以外に気がつかないアイディアだと思いませんか?? o(^▽^o)すごいでしょ♪
                                      コロンブスの卵みたい
         ?ん??

・・・でも、本当にこれだけで良いのでしょうか??疑問に思った方、いませんか??
この画像だけで、疑問に思った方は大したものです。すごいです。普通、気がつきません。




↑答えはコレ。キャスターの向きが変わりません。
思うように向きが変えられない・・・と、いうわけです。 おそまつ様でした。。。(-_-;)


・・・でも、これで諦めないのが、当研究所のポリシーです!!
      何とかしますっ!!  (`o´)/ 

あれこれ、考えに考え抜いて、あることを考えました。
通常より大きいサイズのこのキャスターが、きちんと動けばかなり汎用性が高いかも!?



↑まず、フットレストを外して「うおりゃ〜〜〜ぁぁぁ〜〜!!」とグラインダーでカットします。
左右2箇所、同様に行います。当然、切った跡の切り口(バリ)は綺麗に処理します。




↑この後、キャスターと干渉する部分をマーキングして、同様に斬ります。
溶けたプラスチックが腕にくっつくと「うぁっ、ちっちっち!」と、非常に熱い思いをします。




↑カット後はこんな感じになります。結構、流線型というか・・・デザインちっくです。
個人的に、このようなかたちは「機能美」っぽくて、とっても好きですねぇ〜。。




↑フレームをカットしたことで、足乗せ位置がこれだけ高くなりました(画像左側)。
右側はフレームカット前に一番高く上げた位置です。全然違いますね。
足乗せが高い位置にくることで、
同時に「キャスターとの干渉範囲を最小限に抑えられる」というわけです。




↑できあがりの画像。全くもって自然なのが不思議なくらいです。



          <改造後>                       <改造前>
↑この通り、キャスターに干渉することはありません。右が改造前、比べるとよくわかります。
実際の足との干渉については、ヒールループなどで工夫すれば良いかと思います。
また、小柄な方は足幅も狭いので、それ程不自由することは無いと考えます。


【結果】
以下の通り、サイズの変化がみられました。
                               <標準型車椅子>  <改造車椅子>
シート前端からフットレスト後端までの垂直面距離    約20cm        約10cm
シート面からフットレスト面までの,水平面での距離    約30cm        約25cm


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※小さいサイズのキャスターだともっと簡単に改造できると思います。
※シートの隙間(横幅・奥行など)はクッションで埋めるなど工夫すればよいでしょう。
※もし、実際に試して上手くいきましたら、このケースに限らずレポートを待っています。


【おまけ】
「予め、キャスター位置を変更してスペースをかせぐ」裏技!




↑こんなタイプの車椅子があったとします(実際にあるのですが・・・)。



↑このように、フレームに直接取り付けて位置を後方にずらす、という方法があります。
(このキャスターの「外し方・構造」はこちらを参照下さい。バラけて出てくることもあります。)

え?!勝手に位置変更したらバランスが狂ったりして危ないって?

だぶん、大丈夫だと思いますよ(・・・でも、保証はしません)。             =^_^=
(逆に小回りが効くようになって、トイレや室内で使いやすくなるかも・・・)     なぜなら・・・




↑こ〜んな車椅子だってあるんですから!シンプルですねぇー。さみしいくらい。
(フットレストはキャスターとの距離があるので、向きを変えてもそれ程カットしなくて済むかも。。)





                                  (介護型リハビリシステム研究所)

完成!!
元々あった場所