その他の環境整備C

「フットボックス」の作りかた



下肢の拘縮(こうしゅく:筋肉が短くなって関節が変形すること)はおこさないに
こしたことはありません。・・・・・しかし現実的には、既に拘縮をおこした方が施設に
入所されることはよくあるのです。

特に膝関節は一度強い拘縮をおこすと、1年間ほぼ毎日伸ばしたとしても回復する
ことは困難です(整形外科で「筋肉の延長術」を行えば、劇的に改善する可能性は
あるのですが、殆どは「ケガしていない部分」なので行われないことが多いようです)。

以前、定期的に関節可動域訓練での改善データをとり、徒手による限界を説明して、
Drを何とか説得して手術となり、歩くまで至ったケースもありました。

膝がグッと曲がった(拘縮をおこした)方を、車椅子に乗せるには色々と大変です。
乗せたとしても、下の画像のようになってしまいます。
足は足乗せ(足板)に乗せられず、足が引っ込んだ状態。。。
このままでは、キャスターや床に足が干渉してケガをする危険が大です。



このような状態の方を、「足がケガするかも」「姿勢が悪いから」という理由だけで
「寝かせきり」
にしてませんか??・・・・・ここで、裏ワザが必要になります。


今回は考案した「裏技」を紹介します!
        ♪( ̄▽ ̄)ノ″ 




↑「裏技」とはしっかりと足が収まっているこの物体です。



「作り方」

以下の材料をご用意ください♪
ダンボールは車椅子の足の間に入る程度のが良いと思います。


↑材料はダンボールとカッターナイフとガムテープ。


↑腰掛シートに干渉しない高さに「おおよそ」の目印をつけます。


↑「おおよそ」といっても不安でしょうから、30cmとしておきましょう。


↑こんな感じですね。確認してから切るのが失敗しないコツです。


↑カッターを使えば簡単に切れます。くれぐれも手は切らないように。。


↑反対側も、もう1個とれるので予備に取ります。手間はかかりません。


↑切り取って、ガムテープで処理すれば完成!!あっと言う間に2個できました!


↑こんな感じ。1個あたり10分かからないと思います。  費用:数円。


 命名:フットボックス(Foot Box:足箱)


これも「わかる人にはわかってもらえる」はずです。
保温性があるのも利点です。タオルなどのクッションを敷くのも良いでしょう。
ちなみに、これは「ベット上」での「足関節拘縮予防」にも利用できます。




                                (介護型リハビリシステム研究所)
                                   ネット公開日:2003.10.30
 ←座面シートよりやや下で切る。



←下のベルトにかかっていれば落ちない。
できあがり!
本来のベルトは
ここにある⇒
  ←このベルトを本来の
位置に戻すと足に引かれ
腰が前にズレてしまう。
腰がズレると床ズレが
できやすくなる。