「ブレーキ」整備法・パート6

  ぴょん、ぴょん、ブレーキ整備術

デジカメ(ニコン製)は2度の入院後、調子を取り戻して最近すこぶる元気です。
さて、今回はブレーキをかけても車椅子の空気圧に負けて「ぴょん、ぴょん」戻ってしまう…
そんなブレーキを修理してみましょう。
過去にも、おせっかいバネで戻る車椅子がありましたが、今回はタイプが異なります。

ブレーキが効かない車椅子ほど、放っておいて危険なものはありません。
見つけ次第に、確保・修理に入ります。


↑今回、ピットインしてきたのはこのタイプ。アルミ製で比較的上等な車椅子です。


↑なぜか、ブレーキをかけようとしても矢印方向に「ぴょん!」と戻ってしまいます。
※わざとシャッター・スピード遅くして戻る様子をブレで表現してみました。わかりますか?


↑では、早速分解します。しっかり合うネジを使わないとネジ山をつぶしてしまいます。
※このブレーキ、実は前後でブレーキのかかるタイプの新化系でした。ブツブツ・・・


↑「パカッ」と開けてみると・・・ぎぇ〜!!ヘドロが付着してました〜!!うっわぁ〜!!!
こりゃ、内部清掃からとりかかる必要がありそうです。それにしてもひどい汚れだ。。。


↑ある程度ふき取ったら、アルコール洗浄を行います(ほんとは車用のがベスト)。


↑そんでもって、注油します。この時点でかなりスムーズに動くようになりました。
清掃・注油の作業を終えると、ちびっとはブレーキがかかるようになりましたが、
かかっても少しのショックで直ぐに外れてしまいます。やはり構造に問題があるようです。


↑キレイになった所でよく観察したら、矢印部分にカニバサミみたいなのを発見しました。
ここが少し開いているようです。この部分がゆがんでいるのが原因かも・・・・・


↑ためしにペンチでしめてみました。すると、多少はよくなるのですが直ぐにゆがみが
元に戻っていくようなのです。なんでだろ?????


↑原因がわかりました!画像は、破損部位がわかるように明暗を反転してありますが
片方(上側)のハサミ根元が削れて薄くなってしまっているのです(薄皮一枚の状態)。
この構造部分はビスにて固定してあるのでどうにもなりません。
こうなるとブレーキ全体を交換するか、何とかごまかして様子をみるしか・・・


↑更に、観察を続けると奥のほうにも、もう1個ハサミを見つけました!!
ここを調整して何とかならないか試す価値はありそうです。


↑まずは先端をつまんで広げて引っかかりができやすいように加工します。
(・・・て、言うか・・・無理やり先っぽを左まわりに捻ってゆがませます。)


↑それで最後に、全体を根元から「ぐっ」と元にかえしておしまい。
ブレーキ金具の引っかかり部分をつくるために、わざと波打たせたわけです。


↑ハサミの下部分が「への字」にゆがんだのが、おわかりいただけるでしょーか???


↑その結果、ばっちりブレーキは生き返りました。あ〜、良かった。しかも、ピカピカ!!


↑当然、ブレーキのかかり具合も調整します。固すぎず、タイヤがカラ回りせずの位置を
締めたり緩めたりして2〜3度調節します(タイヤ空気を十分に入れてから行って下さい)。
※タイヤの空気を入れても直ぐに抜けるときは、必ず虫ゴムをチェック・交換しましょう。


↑はい!無事終了!直後にピットアウトして行きました。再び、第一線へ復帰です!!

                                        (介護型リハビリ研究所)

この部分、右上のビスと干渉
しないようにわざと丸く加工して
あるのが金具弱化の最大の原因

(他の画像からも形状を参考下さい)
しゅっ!
しゅっ!!
しゅーーっ!!!
 消毒用
アルコール