「ブレーキ」整備法・パート3
怪しいブレーキ整備術
過去、車椅子は生産コスト削減のあおりをうけて、怪しいブレーキを装備させられたものが
巷(ちまた)にあふれかえりました。
メーカーはろくに回収も、交換もせず、野放し状態。しまいには交換費用まで取る始末。
利用者や専門家はただ単に馬鹿にされているとしか思えません(さている側も自覚がない?)。
私が一番嫌いで整備に泣かされてきたタイプが以下のブレーキです。
操作も特殊で
混乱しやすく、なおかつ軟弱なプラスチックで
壊れやすい。
整備しにくい。
3拍子揃ったブレーキです。
↑このタイプです。中堅・ベテランの専門家でこれを知らない人はいないでしょう。
上の画像はブレーキをかけた状態です。ここまでは、他のブレーキと一緒ですが・・・
↑レバーを前に倒すとどうでしょう?あれ???やっぱりブレーキがかかってる??
不思議ですねー。魔法のブレーキでしょうか?腕の筋力強化タイプなのでしょうか??
それとも壊れてるのでしょうか??
↑答えはこれ。真ん中でうまいこと止めないとブレーキは解除されないんです!!
・・・・・なんてことでしょう。 (T_T)
どっちでもブレーキかかるなんて、かえってややこしいことぐらいメーカーは気づかないで
病院・施設に売り込んできたのでしょうか??それとも、確信犯??
これだから、ブレーキかけたままズルズル移動する利用者が後をたたなかったり、イライラ
してあちこちひねり回して
壊される結果になるんです。
今回も、理解できない利用者に、「このブレーキ壊れてるのよ!何とかして!!」とせがまれ
ました。・・・と、言われても構造自体はどうにもなりませんので・・・
いつものごとく「裏技」を紹介します。
まず、前も後ろもブレーキがかかるから混乱するのです。つまりブレーキがかかるか外れるか、
その状態にしてあげれば、とりあえず解決するはずです。
とりあえず、丈夫なヒモとはさみをご用意下さい。。。
↑はい!できあがり!!
後ろまで引けなくなって、前に押してブレーキ、ちょっと引いて解除というブレーキに変身しました。
・・・・・・わかりますでしょうか・・・・・
このあと利用者は何の問題もなく使えるようになったことは言うまでもありません。
たいそう喜んでいました。
めでたし。めでたし。・・・・??? (;´д`)
でもないか。
●おまけ
このヒモをつける前にブレーキの動きが悪かったのでに一度バラしました。
↑ほこりだらけ。。。それにしても内部までプラスチック・・・傷みも早いわけです。
↑きれいに掃除して注油しておきました。動きもバッチリスムーズに!
この矢印(
←)部分の出っ張り(やや見辛いと思いますが・・・)、ここも磨耗しやすくブレーキが
止まらなくなるケースも多々、診ています。こうなると、ブレーキは捨てるしかありません。
リサイクルしようもないのです。開発担当の顔が見てみたいです。
この場をかりて言わせてもらいます。
ブレーキぐらい、しっかりしたのをつくりましょう。
メーカーさん!!
人の命がかかってるんですよ。
車のついた椅子を作ってりゃイイってもんじゃ
ないでしょう。
耐用年数が過ぎ去るまで、回収・交換もせず放っておくなんてひどすぎです。
幼児用の自転車だって、もっとマシな(10年は平気でもつ)ものつかってるのに。
100人が100人しっかり使えるブレーキじゃないと意味ありません!
(介護型リハビリシステム研究所)