はじめに
 21世紀の超高齢化社会と、医療費削減の切り札として「相互扶助」の介護保険はスタートした。
 介護老人保健施設(以下、老健)は、その中核的役割を担う立場にあるが、@利用者100人対PT
(またはOT)1人を始めとする人員不足A保険導入に伴う40歳以上の障害者受入れB社会的ニーズ
や採算面から利用者が重度長期化C通所リハビリを始め、時間的制約が多く余裕が無い等、難題は山積
している。これら難題を抱え、老健は自立支援と家庭復帰を目指し、全ての利用者を対象に身体機能の
維持・向上を図らねばならず、医療畑のPT・OTは「質と量の壁」に、悩み苦しみ長続きしない。
 老健リハビリに真剣に取り組むならば、従来の「1利用者対1PT(またはOT)」という「医療型
個別リハビリでは既に限界がある。老健は「理念あって中身無し」と言われる前に、単純でも最大効果
を上げる独自の「介護型」リハビリシステムの開発・導入に着手せねばならない。
 ここでは関連施設「晴山苑(国内初の老健)」にモデル時より約14年関わり、当センターにおいて
確立した「老健リハ導入システム」を紹介したい。
 今年5月の全国PT学会で大変反響を頂いたこのシステムは、利用者全員を対象に早期かつ継続的な
リハビリを可能とし、職員のチーム化で、「評価⇒計画⇒実施⇒記録」という一連業務の簡素・効率化
を実現した。
対象と方法
 対象は当センター利用者約230名(入所100、通所50/130)、人数と場所、利用者層の関
関係で、1・2・3階と分かれて、各々リハビリを行っている。
 新規利用または体調変化時に、介護職員は「Kitazono式振分表」(PT評価との整合性は9割…
10老健大会で発表済)を用いて能力評価を行い、各集団に振分けて、PTに提出する。
 PTは結果を確認後、各階毎に「機能訓練計画一覧表」を毎回配布、実施した職員は結果と特記事項
を直接それに記入しPTへ返却する。
 PTは「機能訓練日誌」としてそれらをセンター長・婦長に回覧報告後、保管する。
結果
 このシステム実施当初は、一部利用者・職員に混乱も見られたが、1ヶ月以内に定着した。
 今では余裕も生まれ利用者・職員とも和気藹々行っている。能力別集団化は無理せず着実に実施する
ことで効果も上がり(能力別集団リハの高い有効性…第11回老健大会で発表済)、利用者は充実感と
連帯意識が生まれ、職員は自信と質の向上を意識するようになった。
おわりに
 14年余の歴史しかない老健リハに時代は「独自性」を求めている。現場で働くPT・OTは新しい
介護型リハ」の発想のもと、「職人から指令塔へ」変遷してゆく必要に迫られている。

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   *老健でのシステムですが、特養・老人病院・訪問リハなど今後の応用はいくらでも可能です。
    老健リハ導入システムの紹介
−介護型リハビリの「独自性」と、新システムの確立−
   
キーワード:Kitazono式振分表・能力別集団リハ・実施記録

     2001/5/25 …日本理学療法士学術大会(広島)発表
     2001/8/22 …全国介護老人保健施設大会(東京)発表
     2001/10/25…リハビリテーション・ケア合同研究大会(沖縄)発表

           
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