老健リハ導入システムの紹介
−利用者100対PT1の効率改善手段−

介護型リハビリシステム研究所
代表 S.Kitazono
はじめにT【老健リハの抱える問題点】
@100対1のPTを始めとする職員人員問題
A介護保険導入で、40歳〜の障害者受入れ
Bニーズ・採算面から徐々に利用者が重度化
C通所リハを始め時間的制約多く余裕がない
D結果的に、リハ遅延とサービス不公平を招く
はじめにU【老健リハの基本的考え方】
@基本的に全利用者がリハビリ対象である
A1対1の医療手法よりグループ手法がメイン
B質と量の狭間で「維持向上」の結果を残す
C確実迅速な評価・計画・実施・記録の流れ
D結果、現場全体のシステム化が欠かせない
対象と方法
対象:晴山会ケアセンター1〜3階の利用者
230名(入所100・通所50/130)
方法:利用開始時に職員がKitazono式振分表
を用いて簡易評価し、PTに提出する
PTは確認後各階に訓練計画一覧表を提出
職員はそれを基に訓練、内容記載して返信
PTは訓練記録・日報として、施設長に報告
結果
利用者が利用即日に訓練参加可能となった
利用者の訓練把握と記録が容易になった
能力別の訓練が無理なく効果をあげた
職場に活気と余裕が生まれてきた
システム導入は1ヶ月で定着
おわりに
老健は14年、介護保険は1年の歴史しかなく
PTが100人を一度にみた歴史もなかった。 
超高齢化社会と、医療の受皿になった老健が
「質と量」を同時に追求するなら、産業史同様
オートメーション(自動的流れと調節システム)
化を推進する必要がある。            
老健PTは対利用者のセラピストに終始せず
施設及び地域全体の司令塔を意識せねばならない。      
補助システム
リハビリ担当者会議 … 最大週1回のペースで
各階担当者を集め、PT主導で意見交換する
リハビリノート … 各階にリハビリノートを置き、
PTとの意見・質問を書込んで情報交換する
プチ講習会…現場で困ったこと等を、その場で
数名単位で臨機応変に、PTが指導していく
Kitazono式振分表
 5分で誰もが訓練グループに振分られるツール。
介護職員が「振分表」を用い訓練グループ分けを
行った結果と、後日PTが評価して振分た結果が
100名(過去3年の実績より無作為抽出)中、89名
が合致、約9割の高い整合性が認められた。  
整合性と安全性を高める為、迷った場合は低い
レベルに抑えておく。PT不在の場合でも、医師・
看護婦に助言を求め、暫定的訓練開始が可能。
<第10回全国介護老人保健施設大会発表>
能力別集団リハの効果
老健入所者で集団リハのみ3ヶ月以上行った
50名を不作為抽出し「北薗式振分表」で比較。
(男性12名、女性38名、平均年齢80.32歳、
平均経過7.74ヶ月)                
開始時と比較し、1段階UP…10名、2段階UP
…2名、1段階DOWN…2名、変化無…36名。
24%に改善が認められた。老健は「維持」も
目的の為、変化なしの72%も効果と考える。 
<第11回全国介護老人保健施設大会発表>
病院型の訓練が専門的アプローチと思い込んで
いるために、現実のニーズと合わなくなってしまう。
高齢者のADL基盤は体力にある。老健リハは、
体力UPを基本にADLや意欲を向上するアプローチ
をしていかねばならない。日医大教授 竹内孝仁氏
老健はリハスタッフだけで関わる個別リハは困難
で看護・介護職員協力のもと実施する新システム
を確立する必要がある。 名大教授 杉村公也氏 
あえていうなら、老健は個別専門的なリハを行う
施設でない。ケア施設として役割を利用者・家族に
理解して貰う必要がある。 全老健副会長 若月氏
全国老人保健施設協会誌 「老健」より
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