車いすセミオーダーシステム
 (低予算でも体に合った車イスを)【前編


ちょくちょく取り上げている通販車椅子のシリーズです。

高価な車いすを買う予算はないけど、なるべく快適に過ごしたい・・・過ごして欲しい。
本人・家族・施設職員、皆さんが望んでいることは同じです。

ですが、施設備品となる車いすは予算や汎用性から、スタンダードの普通型車いすが
殆どです。(質より量・・・と言いますか・・・)  (-_-;)
調整機構のついた多様なサイズを用意して欲しいと懇願しても、
事務所の予算でボツになることが多いというのが大方の病院・施設の実態でしょう。

今回は、ご家族から
「床ずれができやすいようなので
高価なクッションでも買ってやりたい。予算は5〜6万かかっても構わない。」
・・・と、相談をうけました。
きっとロホという車いすクッションの情報をどこかで聞いてきたのだと思います。

ただ、かなり小柄な方でロホを入れると座面がかなり高くなることが考えられましたし、
時々失禁があることや、背中が変形(円背)があることから、クッションよりも車いす
そのものを何とか本人に合わせられないかと考えました。

ネット検索したところ、調整式多機能車いすと車いす用床ずれ予防ジェルクッションが
あわせて5万円ちょっとで購入できることがわかりました。
事情をご家族にお話したところ二つ返事で了解をいただけましたので、
振込み人はご家族名義、送り先は当施設の自分あてにしてもらい注文しました。
通販会社からは、丁寧なFAXで振込み先の案内や、発送連絡などありましたので
終始安心して取引ができました。

低床タイプで注文したので、メーカーに在庫がなく発送に1週間程かかるとのこと。

そしてちょうど1週間経ったある日・・・・。




↑いつものように「車いす」と書かれたダンボール入りの車いすが届きました。

何気なく、伝票を見てみると・・・・

いきなり新発見!!\(◎o◎)/!




↑「スーパー虫ゴム仕様」と書いてあります!
ついに、仕様車が出てきたんですねー。いやぁー、ここにくるまで長かった。。...(≧ω≦。)




↑蓋を開けます。この上に、ビニールが覆って(被せて)ありました。
現在の通販車いすは、以前指摘したように『空気が抜けた状態で送られてくる』ことは
なくなりました。
メーカー倉庫から出荷時にビニールを剥いで、空気をしっかり入れた上で送るシステムが
確立したようです。
以前のようにビニールに包まれたまま、ダンボールに入れられていることはなくなりました。




↑取り出しました。
出てきたのは、車いすと車いすシート、ジェルクッション、説明書のセットです。




↑早速、空気圧のチェックです。
しつこいようですが、車いすは「一にも二にも三にも空気圧」ですから!




↑疑うわけではないのですが、一応計測してみましょう・・・。
約360kpaですね。普通型車いすの空気圧はきちんと入っているようです。

念のため、車いすタイヤの空気圧表示を見てみましょう。



↑・・・・ん?460kpa?やや高圧タイプですね。
となると、出荷時の圧が正確にはまだ足りていないということになります。
きっと、空気を入れる機械の設定を360kpaにしたまま作業しているのでしょう。
できれば履いているタイヤにあわせて柔軟に対応してもらいたいものです。




↑説明書には空気圧の重要性を謳った箇所がありました。
当ホームページで今迄に取り上げてきた内容をまとめたような・・・。
たいぶ具体的になってきてはいますが、見づらいし目に飛び込んできません。

どうせなら別紙(色を赤とか黄色)で、もっと目立つようにして、

   「転倒、大事故を防ぐには?」

                    ・・・くらいのタイトルは必要でしょう。

家電メーカーの重要な注意事項を書いた紙は殆どがそうなっているはずです。
ましてや、「命に関わる大変重要な内容」なのですから尚更です。
それに字が小さすぎです。誰が読むと仮定して説明書を作っているのでしょうか??




↑次に、仕様と書かれていた「スーパー虫ゴム」をチェックしましょう。
疑うわけではないですが・・・




↑中には虫ゴムレスの「スーパー虫ゴム(虫ゴムがないのに虫ゴムと呼ぶのも変ですが・・・)」
が入っていました。これがあれば、年に1度の虫ゴムチェック・交換を行う必要はありません。


当研究所としては、このようにいちいちチェックしなくても、すべての車いすが虫ゴムレスの状態、
「仕様」と表記していなくても「虫ゴムレスがあたりまえ」の時代が来るよう活動していきます!!
そのため、メーカーに向けてあえて辛口な書き方をしている点をご了承ください。。 <(_ _)> 



【後編につづく・・・】

かなり長い特集になりそうなので、今回のチェックはここで終わりにしたいと思います。
次回は後編として「キャスター」「ブレーキ」「スカートガード」「アームレスト」「シート調整機構」
「床ずれ防止用クッション」など更に細かくチェックしていきたいと考えています。 ♪( ̄▽ ̄)ノ″ 





                                 (介護型リハビリシステム研究所)

〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所
理学療法士,介護,医療,リハビリ,
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←計測にはちょっとした
 コツが要ります。
 車いす整備に力を入れるなら
 この位の備品は必要でしょう。
 正常空気圧を体に覚えさせる
 には「だいだい」ではダメです。
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