通販車椅子・パート2

  インターネットの車椅子が届いたら(前篇)


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  ※ここで取上げる内容は、月刊誌「かいごの学校」とタイアップしている連載企画です。
   ネットの通販車椅子を実際に「選び、購入し、届けてもらい、使用していく・・・」過程を、
  「番外編&裏話」という位置づけで公開致します。<介護型リハビリシステム研究所>
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 介護保険制度改定の煽りを受けて、インターネットなどの通信販売で
 車椅子を購入される方は、
今後確実に増えてくると思います。
  インターネットの優良サイトでは品質が良い物を安く販売しています。
 これは、店舗を置かない、サービスマンをおかない、在庫をおかない等の
 工夫でコスト削減をしている為と思われます。
 ・・・ですが、価格だけを第一に購入すると思わぬ落とし穴もあるのです。
  前回は「
購入前」について書きましたので・・・今回は、
購入直後」の
 通販車椅子で失敗しないよう気づく範囲でアドバイスしたいと思います。





     【おそるべき対応の早さ!さすが通販!】

            電話で注文したら、な・・・なんと!

 23時間で到着しました!!
     \(◎o◎)/



            

↑月曜日正午に注文の電話をいれたら・・・翌日(火曜)の午前11時に到着しました。
丸1日かからないという、このレスポンスの良さ・・・対応の早さは特筆ものです。
おそらく、背景には完成度の高い流通システムがあるのでしょう。。

車椅子が欲しい人は
「今」欲しいんですから、対応が早いにこしたことはありません。。

それにしても・・・ダンボールにデカデカと「車いす」って書いてあります。

まず、車椅子に間違いないでしょう…(;^_^A

ここまでで、既に「安さ(9990円+送料500円)」と、「速さ」に参りました。
この調子で、

  安い!早い!うまい!

                            ・・・・と三拍子いけば良いのですが・・・・

少なくとも、製品(中身)は既に施設でも使っているので普通に使う分には満足しています。
全体として「うまみがある」製品なので「うまい」と評しても十分かと思います・・・


・・・ですが、やはりこれからの介護社会を考えると十分とは言えないこともあります。
ここでは施設や在宅、様々な角度から検証して、「ズバリ言いたい」と思います。
やはり・・・ホームページだからこそ言えることってあるんですよねぇ〜 (;´д`)ゞ
これを見て、メーカーさんまたは販売店さんがどこまで早急に対応できるかが見ものです。
(「愛情」とか「ハート」とか「いたわり」とか、口では幾らでも言えますもんね〜・・・
メーカーさんも「貴重なご意見を賜り・・・」でなく、何かお返しくれてもいいのに・・・( ̄з ̄) )

皆さんも興味を持って、今後の企業対応を観察してください。
・・・では、早速始めたいと思います。。


            

↑まずは重量チェック・・・箱ごとで21kgありました。
体格の良い男の人なら何とかなる重量ですが、女性や高齢者・障害者には扱い辛い
重さです。・・・ですから、まず気をつけること、お願いしたいことは・・・

運送屋さんに屋内まで運んでもらいましょう。

・・・これだけでも、だいぶ負担がかからずにすみます。
次にやることは・・・・

            

↑梱包して止めてあるビニール紐を、ハサミかカッターで切ります。

すると・・・ダンボール上のフタが簡単に開きます。
(ダンボールの底は重さで抜けないように、金具でしっかり止めてあるので開きません)


            

↑「にんにちわ〜!はじめまして〜!」とビニールに包まれた車椅子が現れました。


            

↑ビニールは上からスポンと抜くことができます。ピカピカで恥ずかしそうな車椅子。。。


・・・・・さて、ここからが問題です。 (^^)b


ここから、どうやって車椅子を取り出すか???
普通の人は結構ここで悩むと思います。   ̄∇ ̄;) 
こればっかりは、箱のまま買った人じゃないとわかりません。


「い〜、よいしょ〜〜っ!!」
            

↑普通は掛け声をかけて、このまま一気に持ち上げて取り出そうとします。
この車椅子・・・約20kgあります。箱の大きさはおおよそ90×90×30cm。
ですから、胸の高さまで全部を持ち上げないと取り出すことはできません。

これはやはりどう考えても、女性や高齢者・障害者には無理ですし、危険です!!
無理して持ち上げようとして腰を痛めたり、転んだり・・・ケガをする可能性が大です。
転び方によっては骨折するかも知れませんし、それがもとで寝たきりとなり、
合併症をおこして、最悪亡くなることも考えられなくないのです。
・・・介護者が腰を痛めて、介護ができなくなり共倒れになることも考えられます。

体験しないとわからないと思いますが、そのくらい危険な作業です。
(「危惧なる器具」として取り扱いたいくらいの最高レベルです。)

製造物責任法(PL法)というのがありますが、梱包状態は含まれないのでしょうか?
危険であることの表示は少なくとも必要だと思いますし、安全に取り出す方法も
きちんと外箱に明示すべきでしょう。
「車いす」とデカデカと表示できるスペースと印刷工程があるくらいですから。。。

メーカーはエンドユーザーに販売する目的で造っていないと言うかもしれません。
しかし、現実的にメーカーからエンドユーザーに直接届けるシステムが存在する
のですから、きちんした安全な取り出し方を明示しなくてはなりません。

このご時世ですから、今後ネット上で購入する方は増えていくでしょう。
どのような方や、どのような家庭に届けられて使われるか・・・早急に十分調査して、
商品のパッケージングを考えないといけないと考えます。

 売れればよいという性格の商品ではないはずです!
                   ρ(`O´*) 


少なくとも、エンドユーザーに接する専門家は目を光らしておく必要があるでしょう。
(・・・・・・でも、その専門家が頼りなかったりするわけですが・・・(-_\)
めまいが・・・ )


さて・・・メーカー各々方の対応をのんびり待っていても仕方がないので、
いつものように対応方法(裏技)を考えて紹介したいと思います。
「文句」ばかり言うのがここの研究所ではありません。 ( ̄▽ ̄)ノ



【必要なもの】


よく切れるカッターナイフ(なければ包丁)をご用意ください。できれば軍手も。


            

↑これをダンボールの横を上から下にかけて、「スパーッ」と切っていきます。
この時に、車椅子のシートを切らないように気をつけましょう。
一緒に切ってしまったら目もあてられません。。

経験上、車椅子の前ではなく、後ろ側(押し手側)を切ると、取り出す時に更に楽です。


            

↑切り終わると・・・このように素敵な後ろ姿が現れます。


            

↑あとはこのように前輪を持ち上げて(持ち上げないと引っかかります)、
後ろから引き出せば簡単に出てきます。・・・たったこれだけ。

これを知っているのと、知らないのでは「天国と地獄」ほどの差が出ます。

逆に言うと、たったこれだけの説明をなぜつけないのかが分かりません。
箱からの取り出し方というのが、確立されていない(盲点)かも知れませんね。

【他の方法としては・・・】

横にして引きずり出すという手もありますが、少なくとも1畳以上の広さが必要です。

メーカーや販売店として一番親切なのは、契約している宅急便屋さんに届け先で
中身だけを渡してもらい、ダンボールは回収することなのかも知れません。


            

↑「かいごの学校」とタイアップして注目している「松永製DM-80」・・・
これを選んだ理由はネット上でたまたま一番安価だったから。
インターネットで販売される車椅子をチェックするのに、高価な物を買っても意味がないし、
本質を知りたいならまずは良く使われるスタンダードから・・・と考えて選びました。


 出てきた車椅子は乗る前に整備しなくてはいけません。
               
後編につづく。





                             (介護型リハビリシステム研究所)