危険な車椅子
     パート2・ブレーキ構造編

世の中には、よく検証もされずに商品化されたんじゃないか?と思わせるような、
呆れた商品があります。特に医療機器の中にはそういったものも多いようです。
ここでは車椅子について、私が個人的にこれは危険だ!と考えたものを取り上げ
ています。

今回は第二回目です・・・・・
これは10年位前から約数年間出回ったタイプのブレーキです。
車椅子は生産コスト削減と軽量化から、年々プラスチック化が進み、前輪や肘のせ、
ハンドリム(こぐ部分)をはじめ、最近では後輪(大車輪)のスポーク部分までもプラス
チックであるほどです。 一昔前までは足乗せ(フットプレート)まで金属でできていた
なんて嘘みたいな話です。
そのプラスチック化が大いに進む中で、ブレーキまでもがプラスチック化されてきた
のです。下の写真で紹介しますが、これは最悪でした。
利用者はブレーキの使い方なんてろくに教わりませんし、知的レベルも様々、また
病院や施設においておもしろくないことも多い中で、ブレーキは相当ひどい扱いを
受けてしまいます。
このプラスチックタイプは外側にひねると簡単に本体が「パキッ」と割れて壊れます。
また、前に押しても、後ろに引いても止まるおせっかいな構造になっているおかげ
で、真ん中でブレーキを解除することができずにズルズル引きずって移動する方も
多くみられました。ブレーキ掛け外しを勘違いする方も多く実に危険でした。
多分、メーカーは相当なクレームが寄せられたのでしょう。
最近では新しいのをとんと見かけなくなりました。
まだ見かけるようでしたら決して買ったり借りたりしないでください。
←何でこんなのつくったんだろ?
もし割れたら薄い金属プレート(無いときは空き缶をばらして)を加工して、画像に見え
る2つのネジに合わせる穴を開けて本体と一緒にサンドイッチしてとりつけます。
最近は数が少なくなったので修理したのや完全に壊れたのを見かけなくなりました。
もし、出てきたら紹介します。

・・・出てきました↓多少ネジを変えて補強したのですが、悲惨な状況です。
←こんな感じで割れまくります。
修理法を公開中

さて・・・・・
今まで散々、悪愚痴ばかりたたいておりましたが、「たまには」感心な車椅子も紹介
しようと思います。
最近、介護保険によってリース車椅子が多くなったため、業者も維持費がかからず
長持ちしそうなタイプを事業所へ投入してきました(1個人相手だと適当なのに・・・)。

見てください!これで両方ソリッド式(空気なしのパンクレス)です。
一見空気式に見えますが、そうじゃないのです。ブレーキもしっかりしています。


しかも!!前輪(キャスター)は調整式です。これを高めにするとお尻が低くなり
深く安定して腰掛けることが可能になります。この場合、立ち上がりしにくいという
欠点もありますが、逆に言うと立ち上がると危険な方に使用することもできます。
(これは以前タイヤの色の件で親切なメールを頂いたM社の製品です。)

                              (介護型リハビリシステム研究所)