100円以下で離床センサーをつくろう!
「離床センサーを安価に作れないか?」
介護職の切なる願いを受けて開発した機器の製作法を詳しく紹介。
【はじめに】
転倒防止機器は最近様々なシステムが各社から発売されている。
いずれも商品であるため一定の効果が見込めるが、やはり単価が高く十分な普及につながらない。
今回は介護スタッフから「ベッドから降りる前に知らせるシステムを開発してほしい」と依頼され、
開発したナースコールシステムを紹介したい
使ったものは基本的に現場で調達したものであり、特別な器具や高価な材料は一切使っていない。
会場では画像を多く使って、なるべく丁寧にわかりやすく作り方を紹介したい。
是非ともご参考いただいて、システムは「効果=高価」ではないことを実感していただければ幸いである。
【対象・方法】
ベッドから抜け出そうして転倒事故をおこす危険性のある入所利用者が対象。
既に使っていた床センサーでは危険動作に間に合わない可能性があるため、起き上がり動作時に
センサーが反応するというシステムが必要だった。
そのため、ナースコールを活用してコードを分岐させ、先端のクリップを利用者に装着して、
それが引っ張られて外れるとスイッチが入るよう工夫した。
製作時間は約60分、コスト的には1台100円以下で完成させた。
【結果】
結果は素晴らしく、かなりの転倒予防効果が認められたが、使い込まれていくうちに
コード部分が劣化して壊れることが多くなった。
そのため、頑丈であることを意識して2号機を製作。
2号機はダブルスイッチ化させ、耐久性と共に信頼性も向上させることができた。
今では現場にて欠かせない機器の1つとなっている。
ナースコールと連動させる良さは、「どこの部屋の」「誰が」危険なのかを即座に察知できる点にある。
駆けつける前にインターホンで口頭での注意を与えておくことも可能である。
【考察】
周知の事実であるが現在の介護現場は、「人手がない」「予算もない」状況である。
この環境のなかで「抑制をせず」「介護度の高い」利用者を、24時間365日みていかなくてはいけない。
現状の過酷な諸問題を打開していくためには、今大会のテーマでもある『愛と知』によってシステムを
開発していくしかない。
システムにより環境が整備されればリスクマネジメント効果も上がってくる。
これからも専門職の壁を越えて、「利用者のため」、「職員のため」、「施設運営のため」になることは
積極的に提案して現場に導入していきたいと考えている。
『介護型リハビリシステム研究所』 red.zero.jp/ksystem