空気入れ・番外編2
       (キャスターの「米式」バルブ)


今回も、今更なんで空気入れの話題なんか・・・と、思う方もいらっしゃるでしょうが、
「今更なんで?」が実は一般にはあまり知られていないことも多い・・・ということも
ありますので、再々度復習の意味をかねて取り上げたいと思います。
普段当たり前と思っていたことが、意外に勘違いだったということも多いんです。参考名言→
       (;´д`)ゞ 仕方ない・・・と諦めてお付き合いください。。

「米式」バルブは「英式」に比べて虫ゴムもなく高耐久・高性能であるということは、
前回述べました。また、自転車・自動車兼用の空気入れを上手く使えば難なく空気
が入れられることも報告しました。

・・・ですが、キャスターに使われている「米式」バルブは一筋縄ではいきません。。




↑このようにキャスターが太いタイプは空気式である場合があります。
屋外で使用する場合、凸凹をひろわないようにエア式にするというわけです。
乗り心地を向上させる反面、キャスターが大きくなり、足の踵と干渉しやすい、
エアが抜けやすい、抜けたエアを入れ辛い・・・などの問題が生じます。

エアが抜けやすいのは「米式」であるからではなく、単に容量が少ないことに
原因があると思います。




↑通所スタッフが「前輪の空気を入れようとあれこれやってダメでした。
何とかなりませんか??」と、持って来ました。
リハビリスタッフが試みますが、なかなか上手くいかない様子。




↑空気は両輪共こんなに抜けていました。
前輪キャスターはブレーキ固定に直接関わらないからいいものの・・・
医療・介護現場の空気キャスターはここまで放っておかれるのが現実です。。
それにしても無理して使っていたせいか、側面に無数のヒビが入っています。




↑スタッフは「米式」バルブであることを確認して、空気入れの口金を「米式」用
に交換していました。ところが上手く固定できず、悪戦苦闘していたのでした。




↑キャスターを整備する際、普通の状態で診てはいけません。
まずはきちんと起こします。そうすると原因がわかりやすくなります。
【ここでワンポイント(b^ー゜) 】
整備はなるべく楽な姿勢で、全体を確認しやすいポジションでやりましょう。





↑原因はキャスターのアーム(?)に干渉して固定ができないということでした。




↑ならば・・・と、キャスターそのものを外します。
【ここでワンポイント(b^ー゜) 】
整備の支障になるものはなるべく外してやりましょう。「急がば回れ」です。





↑今度はバッチリ、シッカリと口金がはまりました。簡単に空気を入れられます。
【ここでワンポイント(b^ー゜) 】
空気が入ったあとは、空気の口金の角を立てて「パッ!!」と外さないと、
直ぐに抜けてしまいます。タイミングよく外せるように練習しましょう。





↑見辛いですが、36PSIと書いてあります。・・・と、いうことは・・・え〜と・・・
「1Kg/cm2=14.2psi」として計算すると、36PSI=約2.54Kg/cm2
おおよそ、約2.5Kg/cm2ってことですね。自家用車のタイヤと同じくらい。
まぁ、一般の車椅子大車輪と同じ程度と思ってよいかと思います。
あまりパンパンに入れすぎても、ショックをひろうだけでエアである意味がない
でしょうから・・・。



【おまけ】

 バルブの位置修正(ヘソ曲がり修正)



↑今回バルブがなぜか反対に向いていましたので、それを修正します。
まずは、バルブ口の中心にある出っ張りを押さえて、空気を全部抜きます。
その後、指先で戻せば簡単に正常な位置に戻ってくれます。




↑このように素直な位置にきちっと収まりました。これで空気も入れやすくなります。


空気キャスターの空気容量はかなり少ないので、気づいた時には抜けていることが
多いようです。そのため、頻繁にチェックして補充する必要があります。
もし、施設内で使う目的の車椅子ならソリッド(空気不要)のキャスターに変えたほうが
良いかと思います。





                             (介護型リハビリシステム研究所)