車椅子キャスター整備法 (ニコイチ的手段)
    

  キャスター(前輪)の故障


キャスターがガタガタしている車椅子みかけませんか?
まぁ、乗れなくはないのですが、乗り心地は最悪です。
モノを言えない弱い立場の方に整備不良品を使わせ続ける
なんて人は、医療・介護のスタッフにはいないことでしょう。。
ましてや、リハビリの専門家なんかに。。。
 
ところが医療関連の学校では、まず整備方法については教えてくれません。
カリキュラムにもありませんし、教官自体が知らないから教えようもないのです・・・

b       

↑このような車椅子が2台やってまいりました。
環境整備として、車椅子の点検修理はプロとして当然の行為です。さて・・・




1台目の車椅子は触っただけでガタガタでした。
こりゃひどい。よくまぁ、こんなになるまで使ったものです。




ま、でもよくある故障です。
左右のネジを外すと中からバラけて出てきました。



検証写真です。固定金具が割れてます。そこから、
ベアリングがばらばらになった模様です。こわいですねー



さて、2台目は・・・というと、これはこの車椅子によくある
現象なのですが、外周のゴムが伸びて浮き上がってます。
これも、どうにもなりません。

そこで
まぁ、本来なら互いの残ってるキャスターで一台分確保。
ってのが筋ですが、これではキャスター2個とも処分となって
しまいます。1個でも救いたい!!救ってやりたい!!!
と考えるのは、私だけでしょうか?



左が外周ゴムのゆるんだキャスター。
右がベアリングの抜け落ちたキャスター。




左のキャスターからベアリング部分を抜き取ります。
千枚通しみたいなので筒の中央から引っ掛けて
押し出すと上手くいきます。1個外せば、残りは楽。
このように、対になって入っています




拡大図。きたないですねー。
髪の毛とか絡んでることが多いので取り除きましょう。
ちなみに、このパーツだけの取り寄せはできないそーです。




無事に移植終了。ばっちり、これで動きます!!




修理分と部品取りの車椅子ができました。
部品取り用はタイヤもぼうずに近く、肘掛も痛んでます。
何せ、10年選手ですから・・・あとは、部品提供ドナー
として、倉庫に残っていただきます。キャスターも1個 は、正常なのが残ってますし。

修理したら、車椅子の登録番号(名前)ごと、カルテ記載 するのも忘れずに。
既往がすぐにわかります。予後もね。
カルテ記載の本来の目的がわかるような、気がします。




              (介護型リハビリシステム研究所)






発見を妨げる最大の障害は無知ではなく、
知っていると錯覚することである

Daniel J. Boorstin
(ダニエル・J・ブァスティン)