新作人形劇「稲むらの火」あらすじ

2007-12-16



(1)
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江戸から帰った庄屋梧陵は、村を見回る。
刈入れが終わったばかりのどかな村。
来年の米つくりに意欲を燃やす里方の農民。
漁に出ている男衆の留守を守り野良仕事に精を出す浜方の女衆。
立派な漁師になることを夢見る浜方の子・・・。
こんな平和な村に、突然、激しくはないが不気味な地震が襲う。



(2)

・・・なんだこの不気味な地震は!    「・・・なんだこの不気味な地震は!」

  そのとき、高台から梧陵の見たものは、
            風とは反対に沖へ沖へと引いていく海だった!

 「津波がやって来るに違いない」


 「村人はまだ何も知らない、一刻も猶予はできない、どうして知らせよう」

おーい ! 津波がくるぞー !




「おーい ! 津波がくるぞー !         
聞こえん ! 他に手だてはなし、      

もったいないが、刈り取ったばかりの  
この稲むらに火をつけて !

SPACE稲むらに火をつけて回る庄屋梧陵



 梧陵は気が狂ったように稲むらに
      火をつけてまわる。

高台から見下ろす梧陵
火事に気付く村人  「皆早くこの火に気づいて、
     高台に上がってきてくれ ! 」




一同、高台の火に気付き 

「火事だ、火事はどこだ 」 
「大変だ、梧陵さんの家だ !」


真っ先に高台に上がった安彦
「消す、消さぬ」でもみあう梧陵・安彦・とき  真っ先に高台に上がった安彦は

 「わー ! 燃えてるのは稲むらだ
        一年分の収穫だ」



 ときばあさんも上がって来て

「梧陵さん ! 火を消してくれ ! 」
「いや、消さぬ !        
それより皆を集めるんだ !」

SPACE 梧陵は、海を指して「津波が来るんだ !」

 集ってきた村人に、梧陵は、海を指して

 「津波が来るんだ ! 」



(3)
舞台シーンはこちら
村人は追々集ってきた。その時、梧陵が力一杯の声で叫んだ。
「みろ、津波がやってきたぞ ! 」
しかし足の悪い新作がまだ来ていない。「あッ、あそこだ」
「綱を投げろ ! 」「それにつかまれ」「それ引けワッショイ」
こうして新作が救われた直後、大津波が村を襲う。
・・・・・・
津波の去った後の村には何も残っていなかった。家も、田畑も・・・
呆然と見つめる村人。
やがて、村人は、自分達がこの稲むらの火で助かったことに気付き、
逞しく、復興に立ち上がる。
里方も、浜方も、子供も、皆共に
     「さあ、新しい村の出発だ ! 」


* 印の写真は、浜松市・劇団からっかぜ 布施佑一郎氏の撮影です。記して謝します。

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