新作人形劇 「稲むらの火」 あらすじ

2007-12-16



主な登場人物

主な登場人物

左から
ちよ (しまの娘)、しま (村人・浜方)、次郎 (浜方の子)、しろ (村の愛犬)、梧陵 (庄屋)、
  とき (ばあさん・浜方)、正太 (里方の子)、新作 (片足不自由な青年)、安彦 (村人・里方)



(1)

梧陵は自分を見舞いに来たときに出会う
 江戸から帰った庄屋梧陵は、村を見回る。
 刈入れが終わったばかりのどかな村。
 梧陵は、ときばあさんに出会う

 「お体の具合が悪いと聞きましたが」
 「有難う、もうすっかり良いんじゃ」
 「わしら梧陵さんの江戸の話を聞くのが楽しみで
      お体を大切にしてくださいまし」

子供達も御陵を見つけて寄ってくる

 子供達も梧陵を見つけて寄ってくる。

 「梧陵さまのお体の具合が悪いって、
     おかあさんが心配していたよ」
 「みんなありがとうよ
     もうこのとおり大丈夫じゃ」

SPACE村を見回る庄屋梧陵

 駈け去る子供達を見送りながら

   「いい村じゃ・・・」

米つくりを熱く語る村人の安彦とシマ
 米つくりを熱く語る村人・里方の安彦と、浜方のしま

 しまは漁に出ている男衆の留守を守り、米を作る

 「米作りは、肥えた土、いい水、草取り
        やさしくしてやらなくちゃ」
 「そうか、子育てと同じだね」

SPACE シロと遊ぶ新作
 左足を失って海から帰った新作は
   村で米作りに精を出すことを誓う

 「なあ、シロ!
  梧陵さんに教わった小魚を肥やしに
       これから米作りに精出すぞ」

次郎と約束する新作

「なんだこの地震は」といぶかる梧陵  そして新作は浜方の子 次郎に
   漁を教えることを約束する

 「約束だよ、新作兄ちゃん
   うそついたら針千本のーます !」


 こんな平和な村に 突然 !!


  「・・・なんだこの地震は! 激しくはないが不気味じゃ」




(2)
舞台シーンはこちら

地震の後、
高台から梧陵が見たものは、風とは反対に沖へ沖へと引いていく海だった。
「津波がやって来るに違いない」 と直感した梧陵は
何も気付いていない村人に知らせようとするが、声も届かない。
万策尽きた梧陵は、刈り取ったばかりの稲むらに火をつける。
・・・・・・
「火事だ、梧陵さんの家だ」と、高台に駆けつける村人。
しかし、燃えているのは稲むら、一年の収穫の束。
消そうとする村人に、梧陵は言う。
「消すな。それより この高台に村人を集めるんだ。」



(3)
舞台シーンはこちら

村人は追々集ってきた。その時、梧陵が力一杯の声で叫んだ。
「みろ、津波がやってきたぞ ! 」
しかし足の悪い新作がまだ来ていない。「あッ、あそこだ」
「綱を投げろ ! 」「それにつかまれ」「それ引けワッショイ」
こうして新作が救われた直後、大津波が村を襲う。
・・・・・・
津波の去った後の村には何も残っていなかった。家も、田畑も・・・
呆然と見つめる村人。
やがて、村人は、自分達がこの稲むらの火で助かったことに気付き、
逞しく、復興に立ち上がる。
里方も、浜方も、子供も、皆共に
     「さあ、新しい村の出発だ ! 」

* 印の写真は、浜松市・劇団からっかぜ 布施佑一郎氏の撮影です。記して謝します。


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