「キャスター」整備法・パート4
正当なるキャスター整備術
今まであまりにも非常識(?)な整備紹介が多かったので、
今回は割合まともな整備術を紹介したいと思います。
今回、「キャスターから異音がする」…というのと、「なぜか左に寄っていく」…という
2台の車椅子がやってきました。
まずは、軽く押したり乗ってみて異音の出所と質を調べます。
両方ともキャスターが怪しかったので
どっこいしょ!と、車椅子を持ち上げ、両方のキャスターを回転させてみます。
ちょっとくらい、手は汚れますが利用者のためです。気にしない。気にしない。でも、気にする
という方はビニールの手袋をはめておくとよいでしょう。なぜかはこの後、直ぐにわかります。
↑同時に回したのに、左車輪は直ぐ止まってしまいます。どーしてでしょう???
分解してみるとよくわかります。まずキャスター中心部のネジを緩めて外します。
(工具を2つ用意して片側を固定しないとネジが回るだけで外れてくれません。)
↑・・・・・・・ご覧下さい。こんなん詰まってました・・・。髪の毛・ほこり諸々・・・。
↑愚痴っててもしょうがないので、取り除きます。片方でこんなに取れました。
人間で言うと耳垢とか、そういったたぐいのものでしょうか?放って置くとこれらがベアリングに
入り込んでいずれは
車輪自体をダメにしてしまいます。
きれいに掃除したら、最後に潤滑油を吹き付けて、取り付けます。
吹き付けると汚れが流れ出てくるので新聞などを敷いていたほうがいいと思います。
取り付けたら回るかどうか試してください。ネジを締めすぎると回りにくくなります。
一丁上がり!! さて・・・お次はもう一台の車椅子です。
今度のはやや異音がするようです。ベアリングが壊れてなければいいのですが・・・
↑
!う゛っ!見ただけでわかりますね。何でしょーか?これは?。下の毛ですか?
あけて・・・・びっくり玉手箱!?
↑絶句してしまう方はまだまだ。こんなの序の口。
ベアリング部分まで髪の毛が入り込もうとしています。片側1個のキャスターの両面それぞれが
この状態なのです。これじゃあ、異音が出たり上手くこげないのは当然です。
↑はい、片方だけでこれだけとれました。もう片方も必ず一緒に整備しましょう。
「車椅子を上手くこげないのを利用者のせいにばかりしていませんか?」
(介護型リハビリシステム研究所)