その他の環境整備【89】


  シルバーカーのタイプ(4)

     〜更に微妙なタイプとは?〜

前回に引き続き、介護保険が適用してもらえるシルバーカーのタイプを紹介します。
ただ、地域によって若干解釈の違いがあるようですのでご注意ください。

介護保険がきけば「歩行器扱い」として1割のレンタル料負担ですみます。

前回の復習ですが、厚生労働省が
車輪付き歩行器(歩行車)
「体の前及び左右を囲む把手などを有する」
・・・と定めているから・・・らしいのです。

つまり、体の前だけに把手のあるシルバーカーは対象外となってしまうのです。


 

↑このタイプは、左右に把手がついて、そこからループ状にプラスチック板が前方に
伸びています。そのため大まかな分類では、シルバーカーではなく歩行器(歩行車)に
属するとしているようです。きっと、プラスチック板が「など」に含まれるのでしょう。
(どう観察しても、座った時の背もたれ、または折りたたんで持ち運ぶ時のベルトにしか
使えないのです・・・。押さえると簡単にしなってしまうので「把手」には無理があります。
これは製品を直接見ずに、カタログ・写真だけで判断しているとしか考えられません。)

・・・とは言いつつも、病院によく置いてありますし、普通シルバーカーに比べて頑丈で
安定しています。基本的には殆どが歩行器扱いで、介護保険の適用になっています。
でも、実は更に微妙なタイプが存在するのです。


 

↑これです。これが一番微妙なタイプです。
立ち上がり用の手すりもついて、体の両脇にハンドルがあります。
・・・ただ、体の前にくる「把手など」というものがないのです。
しいてあげるなら、折りたたみ用の横支えバーがあるくらい・・・。

先ほどのはスチール製で7.8kgですが、これはアルミ製で6.1kgで軽量です。
コンパクトに折りたたみができますので、車で外出する時にも便利です。
画像では座面を持ち上げているため見えませんが、座面を倒して座れます。



          【注意点】

この後者のタイプ。けっこうすぐれもので、SGマーク製品
(※)でもあるのですが・・・
※SGマークとは?:消費生活用製品安全法に基づき設立された製品安全協会が、
「この製品は安全です」ということを認定した製品に表示するマーク。

・・・残念なことに
「リコール」の対象となっています。

 SGマーク製品のリコール対象(ここでは歩行車として扱われています)

 メーカー側のリコール情報提供と無償修理の案内

リース(レンタル)をしている方は、取扱い業者が点検や対応をしていると思いますが
購入されて使用されている方はすぐに点検してください。


 

↑問題の箇所です。
ここの前輪ネジ部分が外れて、タイヤが抜けてしまうおそれがあるそうです。
とんでもないSGマーク製品ですが、リコールしているだけマシかも知れません。


 

↑チェックしましたが緩みもありませんし、ダブルネジでしっかり固定されていました。
頭についているネジの色だけ違いますし、すでに対応済みという感じです。


 

↑同じメーカーの歩行補助車。
これは、歩行器扱い(介護保険の扱い)にはならないようです。
シルバーカーの分類になります。どこで線引きをしているのか、わけがわからなく
なってしまいますが、これも
リコール対象になっていますのでご注意ください。


【メーカーと業者にお願いしたいこと】

できたら、このようなリコール情報は医療機関や介護サービスの機関に速やかに
伝達してほしいです。今でも知らない利用者や家族、専門家も沢山いると考えます。
福祉用具事業者も、顧客であるなしに関わらず、出入りする病院・施設に情報提供
してほしいと思います。
そのようなことから、よりよい信頼関係を築いていけるのではないでしょうか?





                                (介護型リハビリシステム研究所)


〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所
理学療法士,介護,医療,リハビリ,
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←ウォーカーとも呼ばれます。
販売価格は約5万円。
レンタルだと約4千円。
介護保険適用だと、
1割負担で月に約4百円。
←分類上歩行器ではなく歩行補助車と
なってしまうタイプ。
・・・ですが、地域によって歩行器扱い
となるようですので、ケアマネージャー
さんや、業者さんに問い合わせましょう。
販売価格は45,800円です。
以前、特集したこともある歩行補助車。
歩行補助車も略せば歩行車だと思うの
ですが行政上はそうもいかないようです。