その他の環境整備O
歩行車の整備
最近、歩行車も軽くて使いやすい色んなタイプが出てきました。
ただ、ネジも外せないことも多く整備性の悪いものが多くて困ります。
入所利用者の個人の歩行車が、操作し辛く困っていると手元に届きました。
「ヘルシーワン」という、軽量で手元にブレーキのついているタイプです。
↑画像でもわかると思いますが、左前輪がかなり歪んでいます。
人間でいうと「内反足」という症状です。
このままでは操作性が悪いだけでなく、左前方にバランスを崩して転倒する恐れもあります。
↑始めはキャスター部分で調整しようと思いましたが、かなりのフレーム歪みがありそうなので
何とか、フレームそのものを修正できないかと考えました。
それにしても、ここまで歪むにはある程度の外力が加わらないと無理です。
「体重がのしかかった」とか「何かに挟み込んだ」などが原因として考えられます。
↑詳しく調べるため一端、ビニール製のバック部分を取り外しました。
その結果、思った以上の歪みが支柱全体にあることが判明しました(こりゃ、内反膝です)。
普通なら、この状態を見ただけで「処分」となるのでしょうが、3万円もする高価な歩行車を
「諦めて別に買って下さい」とも言えませんので・・・(標準車椅子が一台買えてしまいます)。
↑色々と試行錯誤したあげく、平行棒の握り手部分が適度な弾力性もあり、修正に良い
ことがわかりました。歩行車の支柱はアルミ製なので、互いにダメージを受けずに済みます。
比較的軽い力を、何度か支柱全体に加えていくことで、徐々に修正ができました。
調整前 調整後
↑この通りです。しっかりと地に足がついて、バッチリ安定するようになりました。
(ちょっと外反気味かもしれませんが、この方がより安定するはずです。)
↑カバーをかぶせて、利用者に即日戻しました。
本人は以前に比べてすごく操作がし易くなったと、たいそう喜んだそうです。
めでたし。めでたし。
(介護型リハビリシステム研究所)