車椅子のタイヤはなぜ白っぽいの??

突然ですが「なぜだろう?なぜかしら?」のコーナーです。(*^-^*)

この番組は、「まず気がつかないし、気づかない世界」を紹介してまいります。
では…車椅子のタイヤが白っぽい(灰色)に近いのは何故だかご存知ですか?
「はい!わかる人手を挙げてー。そこの専門家の方、または教える立場の方
如何ですかー?何?!清潔そうだから・・・・・・・?、ブー!!!!違います。」


まず、タイヤは「黒」にこしたことはありません。
・・・・この理由もご存知ないと思いますので・・・・急きょ、タイトル変更!!!

自動車のタイヤはなぜ黒いの??

えー、改めましてこんばんは。
「なぜだろう?なぜかしら?」のコーナーです。
そこら辺の車のタイヤはなぜこんなにも「黒」ばっかりなのでしょう??
多種多様な車が発表される中「なんで?どうして?」と思った方いませんか?
もし、一度でも理由を知らずに考えた方は素晴らしいです。

実は、「黒」というのは理由があるのです。
汚れても目立たないように・・・などという単純な理由じゃありません!!
走る・曲がる・止まる等、磨耗・ストレスが加わるタイヤには、強度が必要です。
その強度を高めるため、タイヤには炭素(カーボン)が含まれています。
その炭素結合に依存し続ける限り、どうしても「黒」からは脱却できないのです。
つまり、あの「黒」は「炭素(カーボン)の色」というわけです。
・・・・・・お分かりいただけましたでしょうか???

では、予習を済ませたところで、
本題の「車椅子のタイヤはなぜ白っぽい??」という話題に入ります。
なぜ、黒色の強化タイヤを履かないのか?履けないのか?
この特集をご覧になる前に「虫ゴム」のコーナーを見られた方なら直ぐに疑問が
膨らむと思います(下の写真を思い出してください)。




↑写真のようにブレーキ金具の角をスキーのエッジのごとくたてて、抵抗をつけ
制止させているのが殆どの車椅子です。
これできちんと使ってもらえば、問題は出にくいのですが、この状態で無理やり
車椅子をこがれるとどうなるか・・・・そう、弱いゴムを削っていくだけです。
ですから、病院や施設にはタイヤが「ぼうず」で、中には奥のメッシュ部分まで
むき出しになっている悲惨な車椅子を見かけることになるのです。


←こんなの見たことあります?

それを防ぐのは、「空気圧の調整・ブレーキの調整」がまず第一ではあります。
しっかりとブレーキのかかる車椅子を無理やりこぐというのは、
よほど腕力のある人以外なかなかできないからです。
あとは・・・そうです。強度の高い「自転車用・黒タイヤ」に履き替える、という
選択肢も残されています。

では…なぜ車椅子に白っぽい軟弱なゴムが使われるようになったのでしょう?
それはやはり「見た目」に原因がありました。
「やっぱり!!」と単純に思った方、まだ修行が足りません・・・。
その「見た目」とは、車椅子の「見た目」ではないからです。


では某大手車椅子製造メーカーM社からの取材回答を直接掲載しましょう!
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もともと車いすは、自転車部品を流用して製作が始まりました。
したがって、タイヤサイズも自転車と同じ物を現在でも使用しております。
ですので、約20年前はほとんど黒タイヤを使用しておりました。
ですが、一番車いすを使用して頂いている場所が病院や福祉施設等であり、
廊下は殆どがピータイルを使用している関係で、
黒タイヤでは廊下に黒いスリップ痕がついてしまうとの苦情を頂いておりました。
スリップ痕は、車いすが直進しているときにはあまり着くことはありませんが、
方向を変えたときや制動をかけたときにどうしても着いてしまいます。
特に、白色や灰色の病院・施設の廊下では、黒い線が鮮明に判ります。
また、一度このスリップ痕が着いてしまいますと、なかなか落とすことが出来ない
のです。
そこで国内のタイヤメーカーにグレータイヤの製作を依頼しました。
ですが、その当時車いすの生産量は自転車の生産台数と比較すると、その足元
にも及ばないような少量であって、なかなかタイヤメーカーもその依頼に応じては
くれませんでした。
時がたつにつれ、車いすの需要が増えてきたことや、自転車製造の場所が日本
から台湾に移行し、国内タイヤメーカーが生産するタイヤが少なくなってきたなど
の理由で、やっとグレータイヤを作ってくれるようになりました。
ですので、現在のグレータイヤに変わったのです。
ですが、グレータイヤでも厳密にいえばスリップ痕はついています。
ただ目立たないだけです。
もし宜しければ、センター内にピータイルを使用しているところがあれば、かがんで
違う角度から廊下を見てください。
きっと、目立ちませんが白い線が着いているはずです。
もちろん先生がおっしゃるように、黒タイヤの方が圧倒的に耐久性があります。
ただ、自転車ほどの高回転で車いすの車輪は回りません。
ですから車いすのタイヤは、グレーが主流なのです。

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・・・以上が回答内容です。実に親切な回答をいただきました。


つまり、施設本位の「見た目」、建物内部の「見た目」の問題だったわけです。
と、ゆーことは「ピータイル」のない、または少ない場所の車椅子のタイヤは「黒」に
すべき余地がある(2〜3年で新車に変えられるという施設を除く)ということです。
近年、いわゆるテカテカの白床の病院・施設は見かけなくなったと思うのですが。
現に某施設では私が数年前から黒タイヤに一部履き替えた車椅子を稼働させて
いますが、特にそういった苦情もなく本当にタイヤもピカピカと丈夫な状態で維持
されています(いずれ画像は撮れたら紹介します・・・忘れてなければ・・・)。

●ガッテンしていただけましたでしょうか?!「ガッテン!」「ガッテン!!」

「黒タイヤ」を見直しましょう!タイヤはホームセンターで売ってます!

※もちろん、「虫ゴム」も肌色と黒色では「黒」の方が耐久性があります(経験上)。
※黒タイヤでも表面が柔らかく劣化してしまうと、床に線が残りやすくなります。


                             (介護型リハビリシステム研究所)

 

なぜだろう?なぜかしら?(?_?)ゞ