車椅子の座位姿勢

         <すぽっとアンカー事例編>


以前、「なっちゃってシーティング」として「すぽっとアンカー」というのを紹介しました。
当方の施設での介護職は「土手、土手!」と言いながら自分たちで工夫してやっています。

現場が「土手」と言いあってるのは、車椅子の座面に意識的に凸を設けているから。。
凸によって殿部が安定するという仕組みになっているのが、このアンカーの特長なのです。

今回は、たまたま身体評価をした方の座位姿勢が、「すぽっとアンカー」で十分コントール
できていなかったので、その原因を追究するとともに改善したことを特集したいと思います。




↑これが発見当初の座り方。一応、アンカーは設けてあるのですが・・・




↑このような仙骨座り状態・・・これでは腰にも、皮膚にもよくありません。
現に、この方は坐骨神経痛で電気治療も行っているのでした。。


上の画像でも「ちらっ」と見えていますが、土手そのものに原因がありそうです。


どこが悪いかわかりますでしょうか?? (; ・`д・´)上の画像でもちらっと見えています


          ・・・早速、シート(座面)を見て見ましょう。




↑シートを確認すると案の定・・・この状態。



    そうです!  ̄∇ ̄;) 


             原因は・・・( ̄▽ ̄)ノ″ 


  「土手そのものを前方に形成しすぎ!」


    ・・・それでは、なぜ土手が前方にあるのでしょうか?? σ(・_・?


  それは車椅子を持ち上げてみればよくわかります。(σ・∀・)σ




↑これが原因です。
      この画像が全て・・・( ̄w ̄)・・・つまり・・・

座面下の固定(しばる)位置が前だと、それだけ土手は前にズレる

・・・たった、これだけのことなのです。
これだけ(ほんの少し)のことが、結果を大きく変えてしまうこともあります。

土手をつくることだけ考えて、肝心の固定位置まで思いつかなかったかったのでしょう。。
(「土手のつくり方」だけ申し送られて、固定箇所まで伝わらなかったのかも知れません。)




↑土手のズレを防ぐには、クロスバーに縛るのが一番です。
今回は、後ろ側のクロスバーに縛り付けました。


  場所が全然違うと思います。(⌒‐⌒)上からは分かり辛いですけどね。




↑そうすると、土手の位置がここまでスライドしてきました。




↑円座を置くとこんな感じ・・・円座は上でも下でもお任せします・・・。




↑座ってもらいました。
リクライニング車椅子の背もたれが傾いているので、一見わかり辛いですが・・・
膝の突出具合を比較すれば一目瞭然だと思います。
大腿裏部分の圧迫が心配な場合は足乗せ(足板)を上げて調整しましょう。

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  ↑このような座位姿勢が・・・           ↑このようになりました。
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ほんのちょっとしたことが、結果を大きく変えることがあります。

時々きちんと「確認」と「調整」を行うようにしましょう。




・・・ちなみに「土手」じゃなく「すぽっとアンカー」です。 (;^_^A 土手の方が言いやすいですけど・・・



                                    (介護型リハビリシステム研究所)

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