なんちゃってシート調整B
 (シート後面を多少なりとも低く・・・)


前回と前々回は、車椅子のパーツを工夫した方法を紹介しましたが、
今回は、身の回りのものを利用した簡単な「小道具」の事例を取り上げます。

ここで紹介する方法は既に約6年の実績があります。
介護職に指導した結果、徐々に改良を続けて最近では大会発表までしたようです。。
それだけ現場では重宝して使っているものなのです。




↑物としてはこれだけ・・・。
これでピンときたらすごいです。お腹や背中に回す??いえいえ、そうじゃありません。

一番最初に指導した時には、このようなすっきりした形ではなく
シーツの切れ端と小型座布団1枚用意してもらって、座布団を二つ折りにして・・・
シーツでくるみ、両端を飴玉をまくように捻ってその場で仕上げたものです。。




↑それをシートの前の位置におきます。
※わかりやすくクッションの上に置いていますが、クッションの下でも構いません。




↑両端の紐をずれないようにフレーム隙間を通して、
下のクロスバー辺りで縛ります。
※縛る位置は車椅子のタイプや体型・目的で工夫してください。




↑当施設では殆どがここで縛ることになっています




↑このようにすっぽりとお尻が収まるという具合です。
大腿部がやや持ち上がりますが、そこに床ずれなどができたと言うような報告は
一度も受けていません。

安定した姿勢を保持できますので、お尻を前にずらして落っこちなくなる以外に、
お尻の収まりがよいため無理に立ち上がったりしなくなる効果があります。
そのため、車椅子からすぐに立ち上がる危険な利用者にも使っているようです。
・・・そう考えると、「まさにお尻を固定するアンカーの役割をしている・・・」
といえますねー。


そこで・・・研究所では、

  「すぽっと アンカー」

                           ・・・と、命名したいと思います。。

「アンカーサポート」だと、さすがに恐れ多いような気がしますので・・・ (;^_^A

実に簡単に試すことができますので自己責任において現場と相談しながら
試してみてください。
この「すぽっとアンカー」を使うと足がやや持ち上がるため、足乗せの位置が
合わなくなります。足が浮くようでしたら、きちんとした位置に調整してください。





                             (介護型リハビリシステム研究所)