車椅子の空気圧 その2

         <タイヤ側面の空気圧表記>


     このコラムでは、管理人が勝手気ままに感じたことを書き込んでいます。
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前回に引き続き、空気圧の話になります。

車椅子の空気圧ですが、取扱い説明書の表記に頼るより、タイヤを見たほうが確実です。
説明書はいつも車椅子のポケットに入っているわけではありませんし、
車のように車体にシールを貼ってわかりやすく表記しているわけでもありません。
⇒本当は、バルブのそばに貼り付けてあったほうが有り難いですが、そのような親切な
メーカーを見かけた記憶はありません。
今後、空気圧の大切さを理解して行動に移せる親切なメーカーや販売店に期待します。


そこで・・・
  【空気圧はタイヤさん(くん)に直接相談しましょう!】

タイヤに聞くほうが確実・・・というのは、
車椅子を購入後、別なタイヤに交換したことも有り得るからです。

同じメーカーの同じタイプ、同サイズの車椅子でも製造時期が半年〜一年違っただけで、
使うタイヤが使われるケースもあります。

たまたま当施設で一年隔てて、「同メーカーの同タイプ」を購入したのですが、
タイヤが異なっていました。




↑これが同メーカー同タイプ車椅子(手前が旧、奥が新)。
購入が1年違うだけで、ブレーキとタイヤが変更されていました。
タイヤは見た目にも黒っぽくなっています。強度を上げる目的でしょうか???

手前の白っぽいタイヤの側面には・・・・




↑このように表記されていました。

65PSI 4.6kgf/cu 460KPa

65PSIというのは、1PSI=0.0703kgf/cuなので約4.57キロ、

4.6kgf/cu はそのまま、460kPaは100で割って4.6キロ・・・という感じです。

いずれも同じことを並べて表記しているわけです。


奥側の最近購入した黒(灰色)っぽいタイヤの側面には・・・




↑さすが後発だけあって、比較的わかりやすい表記になっています。

空気圧 350kPa {3.5kgf/cu

これだと、{ }内を読めば今まで通りの感覚で3.5キロだな・・・とわかります。


・・・・ですが、説明書には両方共、まったく同じ内容が書かれていました。
(・・・というか、殆ど同じ内容の印刷物でした。)





量産化しているタイプだから、説明書の書換えにいちいち対応できないのでしょうか?
まぁ、基本的に2.5〜3キロ入っていればブレーキは効くはずだ・・・との見解なのでしょう。

できれば、空気圧の表記場所と確認方法ぐらい説明書きに欲しいものです。

4.6キロ近く入れられるタイヤと知っていれば、もっとしっかり空気を入れて軽い操作に
することも可能だからです。
(あまり過度に入れすぎると、ブレーキが圧力に負けて跳ね返されることもあります。
その場合は、ブレーキの位置を変えて調整する必要が出てきます。)


ところで、前回自動車のスペアタイヤは細いので2倍の空気圧が必要と書きました。
これは車椅子でも同様なのです。




以前も紹介しましたが、極細タイヤの表示内容です。

110PSI (7.5BAR)

・・・と、表記してあります。

110PSIというのは、1PSI=0.0703kgf/cuなので約7.7キロ、
BARというのは、約1.02をかけたのがkgf/cuなるので、これも約7.7キロ。

つまり、車椅子でも極細タイヤは普通タイヤの2倍くらいの空気圧が必要なのです。

タイヤが細くなる分、ブレーキとの当り面も少なくなるので空気圧には常に気をつける
必要があります。

「タイヤが細くて弱弱しいから、ちょっと手加減して程々にいれておきましょう・・・」
というのは大きな間違いです。
中途半端な空気注入では、仮にその時ブレーキが効いたとしても2週間前後で効かなく
なることも十分に考えられます。
極細タイヤには高圧に対応できる米式バルブが多いのですが、対応した口金の空気入れがない
ということで放っておかれることすらあるのです。→今まで何度となく、この現場を見かけました。
良いタイヤをつけた高級車椅子を使っていても、施設内ではかえって危険を招くことすらあります。



経験上、しっかり(十分に)空気を入れたとしても

  1ヶ月位はブレーキは効きますが、
  2ヶ月目〜かなり怪しくなるのです。



次回は、その検証の様子を中心に紹介したいと思います。








                                 (介護型リハビリシステム研究所)

車椅子気ままコラム・・・第19回