車椅子の空気圧 その1
<取扱説明書の空気圧表記>
このコラムでは、管理人が勝手気ままに感じたことを書き込んでいます。
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第18回目の気ままコラムです。
今回から数回にわたり「空気圧」についての話をしたいと思います。その第1回目です。
車椅子整備の最大ポイントは
(1)空気に注意
・・・空気タイヤは風船と同じように自然にぬけてブレーキ不良をおこします。
(2)水気に注意
・・・水がサビをよんで車椅子の寿命を縮めたり、動作を不良にします。
いずれにせよ、利用者や介護する方にとって車椅子を気持ちよく安全に使い続けるには
この2点を特に注意することが必要です。
ところが、医療・介護の専門家は車椅子に空気を入れるということは知っていても、
どのくらいの空気圧を、どれくらいの間隔で入れれば良いのか?
・・・ということは
殆ど誰も知っていません(当ホームページを見ている人は別です)。
「ウソだ〜!?」と思われたら試しに質問してみてください。
さり気な〜く、聞いてください。(b^ー゜)
このホームページでは既に何度も取上げてきていますが、
車椅子を「シッカリと静止させる」ためには、
「シッカリとした空気圧」が必要なのです!
↑タイヤの空気圧による張りが
シッカリ保たれてこそ、ブレーキは
シッカリと効きます。
(どうして車椅子がシッカリと静止しなければならないのかは、ここではあえて書きません。)
それでは、
タイヤの空気圧ってどのくらい必要なのでしょうか???
某国内メーカーの説明書には以下のように表示されていました。
↑ちょっと読み辛いですが、この説明書には
250〜300kPaを適正に保って・・・
・・・と、書かれています。
ですが、この文には普通に考えて2点ほど疑問が生じるかと思います。
疑問@ まず、
250〜300kPa
・・・とは何なのでしょう?
疑問A 次に、
適正に保つ
・・・とはどのようにでしょう?
σ(・_・?
この説明文だけで、空気圧の全てを理解しろというメーカーの姿勢には首を傾げます。
それとも私だけが理解力がないのでしょうか???
疑問@について・・・
いきなり素人(一般人)にパスカル単位で説明されても、殆どの人がさっぱりでしょう。
確かに、平成11年10月1日から圧力単位は国際単位になって
kgf/cm
2(kg/cm
2)表示はPa表示にすることになりましたが、
まだまだ一般的ではないと思います。「●キロ」で表現されることが多いと思います。
(kgf/cm
2とkg/cm
2ですが、少し前までは教科書でも区別されてなかったそうです。)
↑Pa、bar、kgf/cm
2、PSI ・・・単位が多いと混乱して大変なので、
圧力の単位も国際単位(SI)としてPaに統一しようとなったようです。
表記方法としては国際単位を先に、その後に
{ }で以前の単位を記載するそうです。
・・・でないと、250キロ?!300キロ?!と本気で勘違いする人もいる「かも」しれません。
ちなみに自動車のドア部分にはこのように表記されています。↓
↑上段がキロパスカル表示、下段には
{ }内にキログラム重表示がされています。
普通乗用車は約2キロが一般的です。やや高めで2.5キロくらいでしょうか?
応急用タイヤは細いので、その2倍の4キロという圧力が必要となります。
(日頃の点検で応急用タイヤにもきちんと空気を入れないと、もしもの時に危険ですョ。)
先ほどの説明書の
250〜300kPa
に戻りますが、これは一般的な今までの感覚で言うと、2.5〜3キロいう意味です。
ここまで読んでくる途中で、勘のいい方にはお分かりとは思いますが・・・
車椅子の空気圧は自動車の空気圧よりも高い
・・・という事実です。
実は、車椅子の空気圧を知るには・・・説明書なんかより、タイヤを見たほうが確実です。
車椅子には説明書がぶら下がっているわけでも、自動車のようにシール表記されてもいません。
ですから、目の前にある車椅子の適正空気圧はタイヤに教えてもらうのが一番なのです。
(同じメーカーで同種の車椅子でもタイヤの種類が違って、適正空気圧が異なることもあります。)
※この件については次回のコラムにて取り上げる予定です。
疑問Aについて・・・
250〜300kPaを「適正に保つ」
・・・ということは、何かで計測しなさいという意味なのでしょうか???
医療・介護の現場で空気圧を表示した空気入れを見かけたことは一度もありません。
某大手スーパーで一度見かけたことはありますが、比較的高価だったのを記憶しています。
微妙な調整が困難といわれる英式バルブでどのように「250〜300kPaを適正に保つ」のか、
是非ともメーカー担当者に直接聞いてみたいところです。
(あれこれ言い訳はあるでしょうが、
PL法に基づき形式的に載せているのが
見え見えです。)
そこで!!d(*⌒▽⌒*)b
【当研究所は文句を言うだけでなく、きちんと提案します!】
批評家みたく文句を言うだけだったり、右から左に情報を流すだけじゃありません。
ですから、このような表記の仕方はユーザーにとってあまり意味のあるものとは思えません。
以前、コラムでも書きましたが
形式だけの説明書ではなく、現場で使う方の年齢や相を想像して、
よりわかりやすく親切な説明書をお願いしたいと思います。
売って(貸して)しまえばそれでいい商品でもないでしょう?命がかかっているんですから!
車椅子説明書の
「空気が少ないときに補充」ではすでに対応が遅く、手遅れなんです。
空気が少ない=ブレーキが効かない=大変危険な状態 と認識しましょう。
要は、
『親指でしっかり押しても凹まないくらい』・・・・とか
『月に1度は空気をしっかり入れましょう』・・・・とか
「より具体的に、より大きな字」で
書く(ユーザーへ伝える)必要があります。ρ(`O´*)
少なくとも、私にはこのくらい書いてくれないと理解できませんし、すんなり頭に入りません!!
車椅子タイヤの口金(空気注入口)近くにシールで貼り付けるぐらいの配慮が欲しいのです。
先進国メーカーであれば、
本当に伝えたい内容を
より優しく表記すべきです。
(賢すぎる専門家が多すぎたり、ユーザーが大人しすぎるから甘えているのでしょうか?)
(介護型リハビリシステム研究所)
※今後、メーカーにこれらの動きがみられたら当研究所の活動も意味があったことになります。
メーカーがこれらを見て参考にしても「参考にしました」なんてことは言えないでしょうけど・・・(´ー`)