「キャスター」整備法・パート12

    左右脱落して運ばれてきたケース

今回は、「両方のキャスターがポタ、ポタするんです・・・・」と運ばれてきました。
『え?キャスターがポタ、ポタ?!』始めは意味が分りませんでしたが、一目見て理解しました。
つまり、両方のキャスターが交互、または同時に落っこちてしまう・・・ということらしいんです。

      

↑左右外れて運ばれてきたのは始めてです。
拡大したのをよく見ると、上の@は全体的に・・・下のAは根元だけ外れています。
根元だけのは、車椅子本体に残りがありましたので、そのまま突っ込んで引っ掛けて
何とか取り出しました。




↑全体的に外れた@は何だか様子が変です。
ゴムが切れてボロボロになっています。本来、黒い筒状の同じゴムが2個なければ
いけないのに、片方はちぎれてしまっています。

おそらく、何度も外れる度に無理やり押し込まれて切れてしまったか、中途半端に出っ張った
ところで使い続けた影響だと考えます。
きちんと収まっていれば本来動く場所ではないので、このような壊れ方はしないはずです。

もう片方Aの根元から外れていたのは、先端のボルトが外れていたため抜けたようです。




↑一端、元に戻してみましたが、ゴムの切れた方はかなり短くなってしまいます。
締めるボルトのネジ山の問題もあり、もう少し高さが欲しいところです。

・・・かといって、代わりのゴムはありません・・・
   どうやって左右のバランスを取れば良いのでしょう??

バランス?!つまり左右の高さを単純に合わせれば・・・・ヽ(・∀・)/


・・・・それで、今回はどうしたのかと申しますと・・・・・



↑片方のゴムを「はんぶんこ」にしました。兄弟でおやつを分ける感覚ですね。




↑はい!!こんな感じです!!スッキリです!!!
この状態である程度ネジを締めて、ゴム部分に潤滑剤を吹きつけてねじ込みます。
その後、キャスターを外してネジをきちんと締め付ければ「完成!!」となります。


外そうとしたキャスターも、かなり汚れていました。




↑カルテを見ると1年前に清掃した記録があります。
たった1年で、こんなに髪の毛とホコリがたまるんですねぇ〜。。。
う〜きたない!!でも、誰かが触らなくてはなりません!近いうちに、汚れの再特集やります!




↑無事、整備完了です!!
しかし、この車椅子キャスターが外れたという記録は今までありませんでした。

前兆があっても気がつかなかったのか、ゴムの劣化で落ちやすくなるのか・・・
おそらく、後者の「ゴムの劣化による隙間発生⇒ガタつき⇒脱落」という可能性が
大きいと思います。 でなきゃ、同時に同様の症状は起こらないでしょう

それにしても、この車椅子のタイプ・・・なぜか、キャスターが外れ(抜け)やすいようです。
やはり構造自体に問題があるのではないかと考えています。

同じような車椅子があったら、キャスターが抜けないかチェックしてみて下さい。
外出時に外れたりすると、かなり危険で面倒なことになる可能性が大です。

あと、もう1つ付け加えると・・・
外れたキャスターを適当に押し込んで、無理やり使い続けると
ゴムが切れたり、パーツを紛失したりして整備が困難な事態を招きます。
早めの根本的整備が必要です。





                                  (介護型リハビリシステム研究所)

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