「ハンドリング」整備法
パート3
完全破損!修理を目指すか?それとも・・・
今回は、
過去に紹介したこともある比較的特殊なタイプの車椅子です。
この車椅子・・・一見乗り心地が良さそうで、かなり良い車椅子に見えますが
「耐久性」で問題がありそうなのです。
「ハンドルが壊れた」とのことで手元に届きました。
よく見るとガタガタです。よくまぁ、ここまで使えたなぁ〜・・・と感心してしまいました。
↑ 4箇所で車輪にボルト固定しているはずのハンドリムが3箇所外れています。
たった1箇所のみで「ぶら〜ん」と、くっついています。
↑よく見るとプラスチックの根元が、いずれも割れて外れている・・・状態でした。
そこで、今後の処置として、幾つか考えました。
@プラスチックの柄に再度穴をあけて固定する。
A新しいハンドリムを取り寄せる。
B壊れた車椅子のパーツを利用する。
Cあきらめる。
まず、@については握りスペースが減少する可能性が高い(親指が入らない)為、無理。
Aについては、予算上・・・・無理。
Bについては、合う(適合する)物が無く・・・無理(片方、プラスチックで片方金属も変なので)。
結局、Cの「あきらめる」という結論に達しました! 冗談抜きで。
↑残りのボルト固定部分を外す際には、一端タイヤ空気を抜いてからボルトをタイヤへ
押し込みます。そうすれば抜けやすくなります。「急がば回れ」です。
それにしても、この車椅子・・・大車輪にスポーク(放射状の金属棒)がありません!
ここまでプラスチック化するか?!と驚いてしまいます。すごいですねぇ〜。。。
↑反対側の大車輪は回転部分中央から異音がしていました。
中央の黒い蓋を外すとベアリング部分が現れますので、回転させながら注油します。
たった、これだけで異音はすっきり無くなりました。
↑はい!片方ハンドリムのない車椅子ができました!これで完成です!!
・・・・ある程度の専門知識をお持ちの方なら理解していただけると思いますが、
この車椅子は左麻痺などで片手片足駆動をする方に使って頂くことにしました。
もし、反対側の方が使いたい場合は大車輪を左右取り替えれば良いだけです。
片方にハンドリムが無い分、横幅もとらなくなり、狭い通路も通りやすくなります。
・・・つまり、使用者を限定することで、この車椅子も十分働けるというわけです。
残された機能をいかに活用するか・・・リハビリの基本中の基本ですよね??
(介護型リハビリシステム研究所)