フットレスト整備法・パート5
フットレストの高さ調整ができない?!
フットレスト(フットプレート・足乗せ・足板を支える支柱)の高さ調整法は、
以前にも
紹介したことがあります。
今回は調整して固定する部分が、比較的珍しい構造であったため紹介したいと思います。
数々の車椅子整備を伝授して、主な整備を任せている部下がある日騒いでいました。
原因は、「フットレストのネジが空回りして締めることが全然できない」とのことでした。
「どれどれ〜?」と言いつつ、デジカメ片手に分解にとりかかります。。。
↑今回のフットレストは六角ネジで高さ調整するタイプのようです。
普通はここを右回りに締めると固定できるはずなのですが、確かに空回りしています。
このままでは、途中でズレ落ちてちょっとした段差でも引っかかる危険性があります。
↑緩めることも締めることもできない状態だったので、
何とか無理やり抜き取りました。
・・・・すると?ちょっと変わった構造体にお目にかかることができました。
↑構造拡大図。右側のU字に切れ込んだスチールの筒へ、左の丸いボルトが
入り込んで筒を押し広げ、それが抵抗となってフットレストの位置を固定する・・・
・・・という、構造なのです。
↑この丸いボルトが完全に固着していた為に、そこで空回りしているだけで
フットレストの固定ができなかった・・・というわけです。
矢印部分に空回りの跡が見えるのがわかりますか???
そこで、この固着したネジ部分に浸透潤滑剤を吹き込んで・・・
↑その後、共回りを防ぎながら何とかペンチ等をつかって外します。
↑バラすとこのようになります。
↑再度、浸透潤滑剤を吹き込んで・・・
↑ネジ込みます。この時に引っかかりがありましたので、その部分を何度も往復
させて、ネジ山がスムーズになるようにしました(ここが一番のポイントです)。
↑この後、スムーズに固定が終了して無事に帰っていきました。
ネジ部分・可動部分はサビによる固着が発生しやすいので、
浸透潤滑剤を上手に活用して整備しましょう。
(介護型リハビリシステム研究所)