この天秤は大神ゼウスと女神テーミスの間に生まれた正義の女神アストレアが |
人間の罪を計るために用いた天秤であると伝えられています。 |
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この世が黄金の時代には一年中が春で野は耕さずとも実り、川は乳や酒が流れ |
人間は常に食に満たされて争いは皆無でした。 |
神は下界で人間と共に住んでいました。その中でもアストレアは人間の良き友人として |
正義を説き聞かせることにつとめていました。 |
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銀の時代に移ると四季に寒さや暑さの別ができてきました。 |
人間は家を建てて住み、自らが耕作して収穫しなければならなくなりました。 |
しだいに強者が弱者を虐げるようになりました。 |
神々はこれを見てあいそをつかし天界へひきあげました。 |
アストレアは望みを棄てず下界に踏みとどまり正義を説き続けました。 |
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銅の時代になると嘘と策略と暴力がはびこりはじめました。 |
人間は船を造り海を渡り他国を攻めるようになりました。 |
地中から鉄を掘り出すと剣を造り友人、親子、兄弟が争いを始めるまでになりました。 |
こうなってはさすがのアストレアも耐えきれず翼をはためかせ天界へ駆け上がりました。 |
※アストレアは乙女座になりました。 |