自動ブレーキ車いすB 

  〜 ノンバックブレーキの仕組みと注意点 〜


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ネット通販で1台約5万円の自動ブレーキ搭載・新型車いすを購入できました。

この車いすに装備されていた「立ち上がると自動でロックがかかる自動プレーキ」、
ただの「自動ブレーキ」ではなく、「ノンバックブレーキ」と呼ぶ製品でした。


果たして「ノンバックブレーキ」とは如何なるものでしょう???

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↑後方のみロックがかかる(立った状態)。   ↑ロックが外れて完全フリー(座った状態)。


左右の画像をよく観察していただくとわかると思いますが、
ロックがかかった左の画像は、タイヤとブレーキの間に微妙な隙間があります。

ロックしているように見えても、金属棒1本を挟んで僅かに浮いているのです。





↑下から見るとこのようになります。





↑シャッタースピードを遅くして撮影しています。
ロック状態でもタイヤが回転している様子です。
このように前方へは殆ど抵抗感なく、フリーで動かすことができます。





↑後ろに回転させようとすると、金具がピタッと噛み込む仕組みになっています。
こうなると全く動かせません。





↑下から見るとこんな感じです。金具が喰い込んでいます。





↑前方フリー(後方ロック)状態では、この金具(金属棒)が下に降りてきます。
無乗車で前方へ押すと金属棒が回転して、自転車の発電機のような音がします。



後方に押したときだけロックするこの仕組みは、引き寄せに関してはフリーなので、
移乗した先(ベッドやトイレなど)から、車いすを引き寄せる際には重宝します。

また、介護者が乗車していない状態の車いすを前方へ移動していく場合も便利です。


いかし
危険なケースも想定されます。それは斜面で下向きの場合です。



<ノンバックプレーキの斜面実験・・・
     前方へのブレーキが効かないため、スルスルと動き出します!>


5度程度の軽い傾斜であったとしても、ブレーキをかけずに立ち上がった場合、
車いすが下側を向いていると、後を追って動いてくるため注意が必要です。
利用者や他者にぶつかって転倒・怪我に繋がる可能性は否定できません。


 
少しでも傾斜のある場所で使用することは危険です!


また、多少の空気圧低下には対応できる仕様になっていますが、
基本的に空気圧に頼る構造ですので完全に不足した状態では作動しなくなります。
やはり普段からの整備が重要なのです。












                                   (介護型リハビリシステム研究所)