その他の環境整備J

 ベッドサイド整備・パート1

    今回は、ポジショニング(良肢位)の一手段を特集します。
          あくまで参考として、ご覧下さい。


一昔前までは治療や安全の為と称して、手足を縛る医療・介護現場が多かったのですが
最近では、抑制廃止が一般的となり縛ったり・動きを制限するのは基本的にできません。
ただ、抑制の解釈が微妙で、本人が落ちないように安全目的で固定してあるベッド柵も
場合によっては動きを抑制しているといわれるケースもあるのです。
この辺りは、各施設・現場で本音と建前をうまく使い分けているというのが実情でしょう。

本人の意識レベル・身体レベルによって安全面、機能維持の目的・手段も変わると思う
のですが・・・、様々な考え方があるようなので、ここではあまり言及しないようにします。


医療・介護の現場では、ポジショニング(良肢位)・体位変換を行う目的である程度、姿勢を
変える(コントロールする)ことがあります。
異常な姿勢を長く続けていると、本人も介護を行う側もいずれ苦痛や危険性を伴う状況に
陥る危険性があるからです。
【良肢位:できる限り関節拘縮をつくらないような予防的姿勢、あるいは関節が仮に動かな
くなっても日常生活動作に及ぼす障害が最も少ない肢位のこと】




↑この方は常に膝を折り曲げて臥床している方で、拘縮予防のために、
何とか膝を伸ばして横にすることはできないか頼まれました。確かに、このままでは
膝の筋肉が短くなって伸びなくなり、車椅子に座ることすら困難になる可能性があります。


↑真ん中に紐を通した長枕をベッド柵の端に取り付けました。
そして、ご本人はなるべくその反対側、上方へ移動しておきます。


↑膝を伸ばして両足を長枕の中に入れます。


↑足と膝の間にクッションを入れて、ポジショニング完了。
この方はご自身でモソモソ動けるので、いつでも外すことができます。
あとはこの姿勢を少しでも長くとって貰えれば、拘縮の予防につなげられます。


↑体位変換時(反対向き)は左右の柵を入れ替えて同じような姿勢をとれます。


●応用されるのは自由ですが、専門家に相談して十二分に検討してください。
 本人に苦痛を与えるような無理なポジショニングは絶対に良くありません。



                                (介護型リハビリシステム研究所)
クッションに通すヒモは、もう少し厚めの方が良いと思います。
手近にこのタイプしかなかった為、このまま紹介しています。