「タイヤ(大車輪)」整備法・・・パート3
大車輪・簡単交換術⇒その参
今回は大車輪の総取替え&ブレーキ取替えを行いました。
ですので正確には、大車輪&ブレーキ整備となりますが、細かい事にこだわらずに行きましょう。
===========================================================================
最近、画像サイズと画質を必要最小限に落として掲載しています。
これは第一に、ダウンロードの時間にお手間をとらせないということと、
ホームページ容量を節約してなるべく長期運営をしたいという考えからです。
===========================================================================
今回、運ばれてきた車椅子はこの↓タイプです。
↑このタイプは中国製で数年前から約3万円でホームセンターなどに出回った物です。
安価で一時的に使用するには良いのですが、国内に比べて規格が根本的に違うようです。
↑空気口が一般用とは異なります(珍1)。自動車に使われているバルブと同じもの(米式)です。
注入しても自然と抜けてしまうのでこのバルブ自体に問題がありそうです。
チューブの予備があるのでチューブを両輪交換しようとも思ったのですが・・・
↑たまたま、同タイプのドナー(右)がありましたので大車輪ごと交換することにしました。
なぜか、バルブは別の標準タイプ(いわゆる英式)が使われていましたので!
↑大車輪のネジも国内の物と全く異なっていました。分解工程も全然違います。
まずは、このネジカバーをマイナスドライバーでこじ開けます(珍2)。
↑そうすると、このようなネジの頭が出てきます(ここら辺の処理は気がきいているのですが・・・)。
↑内側のネジに問題がありました。通常、ここについている六角ボルトを外してトントンと外側へ
叩き出せば大車輪は外れてくれるのですが、これは直接フレームにネジ込んでありました(珍3)。
↑このように、外側からひたすらグリグリとネジを左に回して外していきます。結構大変です。
↑ほらね。ネジ山があるのが見えるでしょ?
↑やっと外れてくれました。2台の大車輪交換となると、この作業を外すのに4回、取り付けで
4回。合計8回繰り返す必要があります。
↑ブレーキの調整も行いました。妙なブレーキで緩めたり締めたりが大変です(珍4)。
調整は画像のようにして行います。ここで、トラブル発生!!!
↑妙な締め付け感覚だったので、もしや?!と思ったら、案の定・・・ネジ切ってしまいました。
何て、弱いボルトなんだ!ブレーキ箇所なのに。しかも、特殊ネジなので代用品もありません。
↑更に余計な手間が増えてしまいました。これだから国外産は困るんだよ。ブツブツ・・・
グチってもしょうがないので、予備のパーツをあさります。これで何とかなるかなぁ〜。(?_?;
↑無理やり、国産ブレーキを取り付けることに成功しました。よかったぁ〜。ふー・・・。
↑と、言うわけで何とか再生成功!喜びもひとしおです。ちなみにこの車椅子、全体に大きく
アームレスト(肘のせ)も異様に高いんです(珍5)。
そしてこの後、元気に職場復帰していきました。めでたし。めでたし。
追記:一夜開けてこの車椅子、スタッフが「夜にネコが鳴く」ということで戻ってきました。
よく見ると、大車輪のベアリングが油切れをおこしていたようで、人がのって漕ぐと
小さく「ミー、ミー」と鳴くんです。再度、分解注油して帰っていきました。
バルブについて:バルブには一般に「英式」と「米式」「仏式」の3種類あります。
国内の車椅子や自転車によく使われているのは簡単構造の「英式(ウッズ)」、
大量の空気を入れ易く、自動車によく使われているのは「米式(シュレーダー)」です。
「仏式(プレスタ)」は日常使われることは殆どありません。細くて尖がった形状を
しています。微妙な空気調整が可能な為、スポーツバイク(MTB等)に使われます。
(介護型リハビリ研究所)