肘跳ね上げの故障
〜肘掛け・肘乗せ・アームレスト〜
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車いすには肘掛けが取り外せたり、持ち上げ(跳ね上げ)ができる物もあります。
「車いすから」、または「車いすへ」移乗する際に、肘掛けが無い方がスムーズに
移乗できると判断した場合は、これらの機能がついた車椅子を使用します。
今回は、個人所有の車いすですが、この機能が壊れた例を紹介したいと思います。
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↑松永製AR-501(旧AR-500)という車いすです。
以前、ご家族の相談を受けて、比較的高機能な上にネット上で安価(約9万円→約3万円)
だったこの車いすを紹介して購入してもらった・・・と記憶しています。
希望されれば紹介して、当施設に配送して貰い、調整してお渡しするという流れです。
↑肘跳ね上げの部分です。
左側が故障しましたので、右側を使って構造を紹介したいと思います。
↑プラスチックレバーを引くと、肘掛けを止めている金具が外れ、持ちあがる仕組みです。
↑ここのレバーが壊れてバラバラになってしまったのです。
このままでは固定されず、ゆるゆるの状態ですので危険です。
部品を注文して全交換を考えましたが、部品代も高価な上、時間もかかるので
とりあえず応急処置でも・・・と、ご家族に了承を得て取り掛かることにしました。
↑原因は、レバーを固定しているピンが歪んで折れたためです。
かなりの力が入る場所に関わらず、空洞のある弱い構造になっています。
メーカーは使う側の立場になって「丈夫で壊れ難い構造」を心がけてもらいたいものです。
※もし同じような故障が相次ぐようならリコールも考えたほうが良いかも知れません。
とりあえず、手近なもので代用品を探します。
身近にあって、
コストがかからず、
丈夫で、
加工が容易で・・・(´・ω・`) ・・・
ごそごそと探していましたら・・・・
(≧∇≦)/ 見つかりました!!
↑ふつうの「釘」です。直径がうまいことぴったり!!丈夫な構造で言うことなし!
↑このようにサイズがピッタリです。まるで、このためにあるかのような・・・。
↑鉄ノコでピッタリサイズにカット。頭のついている矢印側を使用します。
↑材料が揃ったので組み立てです。バネをつけて金具を押し込みます。
↑深く差し込む必要があるので、エンピツで更に押し込みます。
反対側に突出してきた部分に、レバーを取り付けて「釘」を差し込み、固定します。
↑たまたまですが、釘を差し込んだ反対側に元の金具の一部があったので・・・・
↑ペンチでかしめて上手く固定することができました。
↑完成です。この後すぐにオーナーの元へ帰っていきました。
・・・修理後4ヶ月近く経過していますが、特に何の問題もなく使えています。
(介護型リハビリシステム研究所)
〜システムでよりよい未来へ〜
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