その他の環境整備【103】
介護老人保健施設の実地指導
〜加算関係書類はきちんと管理しておく〜
最近の実地指導・・・
書面主義といわれる老健ですが、最近は「書類の簡素化」を目指している(?)らしいです。
そのためか、実地指導前に役所へ提出する書類内容が変わってきています。
私が経験した最近(2009年2月中旬)の実地指導では
「行動障害のある入所者」について、各階の利用者資料を3名〜5名程度提出を求められて、
その利用者のカルテ等から色々と関係書類を芋づる式に調べていくというやり方でした。
また、それとは別に各種「加算」関係書類について、特に重点的に調べられます。
リハビリに関しては、
「リハビリテーションマネジメント加算」、
「短期集中リハビリテーション実施加算」、
「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」、
「リハビリテーション機能強化加算」、
「退所前後訪問指導加算」などです。
当然、それらの記録書類は全て求められますし、それらが揃っていないと「やっていない」と
みなされます。
・・・以下は、今回の提出に使われたチェック項目です。参考までに・・・
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<入所>
●「リハビリテーションマネジメント加算」については・・・
利用者に対する実施計画原案の説明、同意 ⇒有・無
医師、PT、OT等によるリハビリテーション実施計画の作成 ⇒有・無
実施計画に基づくリハビリの実施、利用者の状態の定期的な記録 ⇒有・無
実施計画の評価、見直し(2週間以内) ⇒有・無
実施計画の定期的評価、見直し(約3ヶ月毎に実施) ⇒有・無
居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 ⇒有・無
退所前リハビリテーションカンファレンスの実施
⇒有・無
退所時に介護支援専門員、医師等への情報提供 ⇒有・無
●「短期集中リハビリテーション実施加算」については・・・
リハビリテーションマネジメント加算の有無
⇒有・無
入所(起算)日より3月以内に実施
⇒有・無
実施日(概ね週に3回以上)
⇒有・無
過去3月以内に当該施設に入所していない ⇒有・無
●「認知症短期集中リハビリテーション実施加算」については・・・
リハビリテーションマネジメント加算の有無
⇒有・無
入所(起算)日より3月以内に実施
⇒有・無
実施日(3回以内)
⇒有・無
精神科医等により生活機能が改善されると判断された認知症者 ⇒有・無
リハビリテーションマネジメントの計画に基づき、PT等により
記憶の訓練、ADL訓練等を組み合わせたプログラムを提供 ⇒有・無
1人の医師又はPTが1人に対して個別に20分以上実施 ⇒有・無
リハビリテーションに関する記録の保管の有無 ⇒有・無
過去3月以内に当該施設に入所していない ⇒有・無
<短期入所・介護予防短期入所>
●「リハビリテーション機能強化加算」については・・・
多職種協働で個別リハビリ計画を作成し、リハビリを実施する体制 ⇒有・無
開始時に利用者等に対し内容を説明し、記録する ⇒有・無
リハビリに関する記録の保管、閲覧への対応 ⇒有・無
<通所>
●「リハビリテーションマネジメント加算」については・・・
利用者に対する実施計画原案の説明、同意 ⇒有・無
医師、PT、OT等によるリハビリテーション実施計画の作成 ⇒有・無
実施計画に基づくリハビリの実施、利用者の状態の定期的な記録 ⇒有・無
実施計画の評価、見直し(2週間以内) ⇒有・無
実施計画の定期的評価、見直し(約3ヶ月毎に実施) ⇒有・無
居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 ⇒有・無
終了前リハビリテーションカンファレンスの実施
⇒有・無
終了時に介護支援専門員、医師等への情報提供 ⇒有・無
●「短期集中リハビリテーション実施加算」については・・・
リハビリテーションマネジメント加算の有無 ⇒有・無
起算日より1月以内に実施
⇒有・無
起算日より1月以上3月以内に実施 ⇒有・無
起算日より3月越
⇒有・無
実施日(3月以内)概ね週に2回以上 ⇒有・無
実施日(3月以内)概ね週に40分/日以上 ⇒有・無
実施日(3月越) 概ね週に20分/日以上
⇒有・無
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これらは「予め用意しておいてください」という最低限のチェック項目なのです。
・・・最低でもこのくらいはいつでも提出できるよう用意しておく必要があります。
加算は複雑になる一方ですし、それをしっかり管理していかないといけません。
・・・どこが「提出書類の簡素化」だか理解に苦しみます・・・が、
老健のスタッフであるからには書類に追われて余裕のない状況でも、より良い
サービスを提供していく必要があるのです。
私の施設では、独自のシステムで管理していますので何の矛盾もなく、質の高い
書類を用意しています。いつ指導に来られても大丈夫な書類体制にあります。
年々、
システムの内容は向上していきますので、毎度のように、書類の完成度に
担当者は「驚き」を持って帰られます。
・・・でも本当は書類以外にもリハビリの様子とか見学したり、施設の食事を味見
したり、利用者や職員、施設全体の流れを見てもらえれば有難いのですが・・・。
<介護型リハビリシステム研究所>