「フレーム」整備法

    〜 クロスフレームの一部が破損 〜


クロスバーとかエックスフレームといわれるものが、車椅子のシート下にあります。
折りたたんだり、開いた車椅子を安定させるためには欠かせない部品です。
まさに縁の下の力持ちのような存在ですが、この一部が折れるという状態(現象)を
見かけたことはありませんか?




↑これがクロスフレーム部分。
ここが折れることは少ないのですが、折り畳んだ(シートが浮き上がった)時に安定させる
短いフレームが折れる現象は時々見かけます。




↑ここの部分です。
ここの部分が折れると折り畳んだ時にガタガタとかなり不安定になります。
※しかも折れるのは決まってアルミ製。アルミは軽量ですが、修復はかなり困難です。
ここは歪みなどの外力が加わりやすいのでしょう。アルミでは限界があるのかも知れません。

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この車椅子、通所リハビリでよく使われている車椅子で、折り畳んで移動させることも多く、
かなり気に入られていたので何とか復帰させて欲しい!しかも早期に!と頼まれました。
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↑いくら頼み込まれても、この状態では・・・ちょっと・・・ (→o←)ゞ




↑でも、スチール製の廃車車椅子から流用できる「かも」知れません。




↑そう思って、壊れたフレームを外そうとよく見たら!!
何と!ネジではなく、リベット状に加工されていました。これでは分解すら不可能です。


 しゃーない  ̄∇ ̄;)  あきらめて廃車にするか・・・と、一瞬考えましたが・・・

「ぜひ、直してほしい!ぜったい直してくれるはずだ!」という
現場スタッフの期待を無碍(むげ)にはできません。。。




↑切り取れば何とかなるかも?!・・・と考えてダメ元でグラインダーで頭を削りました。




↑狭い場所でしたが、何とか削りとることが出来ました。
急いで触ると金属が熱をもっていて火傷しかかりました。やはり軍手は必須です。




↑早速、スチール製のパーツを持ってきましたが、
今度は、ネジ穴が合いません。タイプもサイズも違うので当然といえば、当然です。

「やっぱダメか・・・スタッフには悪いけど・・・」と、ここでもちょっと考えましたが・・・

なんとか気を取り直して・・・




↑適当なネジを探してきて、それに合うような穴を別な場所にあけることにしました。




↑ドリルで穴を開けるときには、「当て木」をすると床に傷をつける心配もありませんし、
綺麗に仕上がります。




↑穴があいたら組み付け作業です。




↑ダブルにネジを組込んで緩み防止をすれば完成!!




↑こんな感じで何とか仕上がりました。




↑反対側から見るとこんな感じです。ネジ部分をアップしたのがコレ↓。




↑それなりに時間がかかりましたが、結構しっかりと仕上がりました。




↑各部に注油して、スムーズに可動することを確認した後、現場復帰していきました。



クロスフレームの破損でも、廃用車いすからの調達は可能です。
ただし、加工するための道具を使うことが多いですのでケガには十分気をつけましょう。






                                     (介護型リハビリシステム研究所)

〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所
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←見づらいですが、
  丸いグラインダーの刃で
  削っている様子。
2008年夏休み特集号
←青い部分がマーキングをした場所。
  ここにネジが軽く通る程度の穴を
  上手いことあけなくてはいけません。