<危惧なる器具> 緊急特集
介助バーのリコール・その3
移乗補助として医療・介護の現場で便利に使っている「介助バー」ですが、
「Rバー」、「スイングアーム」、「移動支援バー」等々、・・・様々な呼ばれ方をしています。
リハビリの側からみても、安全にベッドから離床するために欠かせない道具の一つです。
これがあると、重心を前に出して立ち上がる動作を楽に行えます。
使っている本人が自立に向かうのはもちろん、介護者も負担が少なくなります。
そのため、自立を目指すしっかりとした方針・目的のある医療・介護の現場ほど、
この柵(バー)を利用することが多いのですが・・・。
↑ 今回は前回届いていなかった、このタイプの留め金部分に対するストッパーを装着します。
ここが浮き上がって、可動部が突然動いてしまう危険性を予防するためのものです。
タイプはKA−089シリーズ用ストッパー(KA−088/089・KQ−87R/87L用)です。
↑KA−ST95ストッパーが届いた翌日、送られてきました。
2度(2日)に分けて配送してくるなんて・・・配送料が無駄なように感じます。
現場が混乱しているのか、タイプによって担当部署が違うのか?よくわかりません。
【取り付け方】
↑前回のストッパーはオレンジ色でしたが、今回は白色。
大きさも少しコンパクトなようです。
必ず軍手を着用するよう書いてありましたが、現場で探しても見つからなかったので、
布を介して両手を使い慎重にはめ込みました。→滑り止めのついた軍手がより安全です。
※取扱説明書をよく読み、安定した姿勢で、指を挟まないように十分気をつけて行いましょう。
↑これが取り付けた状態。今回もロックレバーを持ち上げてから取り付けました。
【使い方】
↑灰色のバーを任意の角度にしたら、銀色のロックレバーをしっかりと横に倒します。
↑ストッパーを右へスライドし、ロックレバーにかぶせ「パチンという感覚」があることを確認します。
【ロックの構造】
前回はネジの突起部分を使って、きちんとロックする構造でしたが、
今回はその場所にネジの頭(ネジそのもの)がありません。
↑近くのフレームにプラスチックの爪でかけるという構造になっていました。
上から覗き込むとよくわかります。これは固定を解除した状態です。
↑これが横にスライドさせて固定している状態。
この爪で戻りを防ぐと共に、「パチンという感覚」を得ることができるのです。
【難点】
↑ロックレバーがやや浮き上がり気味になるため、ロックレバーの頭を押さえつつ
ストッパーをずらして固定する必要があります。
↑片手でもできなくはありませんが、やや高度な動作(巧緻性)を求められます。
↑前回のタイプにも言えることですが、一番気がかりなのは
ロックレバーを上げた状態で、ストッパーを固定側へずらしてしまい、
ロックレバーそのものを倒せなくなるというケース。
こうなると、誤動作を予防するための道具が、
かえって誤動作を招いてしまいます。。
そんなバカな?!が起こるのが医療・介護の現場なのです。一般常識は通用しません。
よくわからず(慌てていたりして)、そのまま立ち上がったりすると大変危険です。
説明シールも無いよりは良いのですが、低い位置なので読み辛い感があります。
現場で利用者や職員にきちんと説明する必要がありますが、
あやしい使い方をする方には始めから動かないようにした方が無難かもしれません。
(ストッパーをかけた状態で、さらにヒモで固定しておくとか・・・)←ストッパーのストッパー??
今回のストッパーは前回のと一見似ていても、構造などが全く異なります。
製品番号(形式・タイプ)をきちんと確認して、不明な場合はお近くのメーカーや介護用品店に
確認してもらいましょう。
↑タイプによっては柵(バー)を外すと、裏(下)の部分に銀色のテープが貼ってあります。
そこに製品(形式)番号が表記されています。
【伝達】
ロックの方法や、危険性については現場のスタッフに十分浸透させなければなりません。
ただ放置しておくことは、それだけでも「ひやり・はっと」ものです。
↑当施設では行った内容と、ストッパーのかけ方、ストッパーの仕組みを
画像を使ってわかりやすくしたプリントをつくり、現場主任を通して配布しました。
<ネット上での情報・問合せ先>
パラマウント社ニュース
日本福祉用具評価センター
●医療・介護関係者・各団体様へのお願い:
会員組織や、会報などの連絡システムを通じて、上記内容の速やかな情報伝達をお願いします。
(介護型リハビリシステム研究所)
介護型 〜システムでよりよい未来へ〜
リハビリシステム研究所
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