<危惧なる器具> 緊急特集
介助バーのリコール・その1
【一部追加情報あり】
↑移乗補助として便利に使っているこのベッド柵は、「介助バー」、「Rバー」、「スイングアーム」、
「移動支援バー」等々、・・・様々な呼ばれ方をしています。
リハビリの側からみても、安全にベッドから離床するために欠かせない道具の一つです。
これがあると、重心を前に出して立ち上がる動作を楽に行えます。
使っている本人が自立に向かうのはもちろん、介護者も負担が少なくなります。
そのため、自立を目指すしっかりとした方針・目的のある医療・介護の現場ほど、
このタイプの柵を利用することが多くなります。
↑今回、取り上げるのは以前も当研究所で取り上げたタイプ、パラマウント社の製品です。
この製品がリコールの対象となっています。
矢印のロック部分が磨耗したり、負荷をかけることでガタが生じてロックが外れるそうです。
介助バーの様々な危険性については「危惧なる器具」のコーナーでも再三紹介しています。
これらの介助バーを使っている方は、下肢の体重を支える力が不十分である方が殆どです。
そのため、上肢を使ってこのバーによりかかるようにして使っている方も多いのです。
以前(2005年4月頃)も、この場所に不具合が発見されて無償交換していたタイプですが、
今回は更に部品を追加して、ロック部分のレバーが勝手に上がらないようキャップ状の
「ストッパー」を無償提供するとのことです。
同時に、ロックレバーが磨耗することと、点検が必要であることの警告ラベルを貼るそうです。
当:研究所でも、それらが追加された時点で画像をアップする予定ではいますが、
メーカーは生産(量産)前にどれだけのチェックを行っていたのでしょうか?( ̄∇ ̄ )b゛どんだけ〜??
●@どのような方が使うのか?
●Aどのような場所でつかうのか?
●Bどのような使われ方をするのか?
●Cどれほどの期間使われていくのか?
だれが、どこで、どのように、どのくらい
・・・これら『どんだけ』の想定が甘かった・・・甘すぎたと言われても仕方ないでしょう。
当研究所の独自の考え方で言わせてもらえれば、
@については、腰や下肢に障害のある方、体力や理解力が低下した方など様々です。
体格にしても小柄な方から、大柄な方まで使っています。
Aについては、家庭や病院、介護施設など様々な場所で使われます。
Bについては、下肢が殆ど使えずに鉄棒みたいに「のしかかる」方もいます。
ジョイント部分にかかるストレスはかなりのものと想定されます。
スイング機構(ロックと解除)を使用のたびに使う方も多いのです。
どこの現場でも昼夜関係なく頻繁に使っています。
Cについては、レンタル品は耐用年数を超えて使用させることはないと信じていますが、
個人や施設で購入したものは耐用年数を越えて使うことはザラです。
※耐用年数(おそらく5年)の倍は軽く使うでしょう。
ちょっと考えただけでこれだけ出てきます。
これらを十分想定して製品開発をしてもらわないと、「転倒事故」というのは容易に起こります。
特に、有名メーカー品に対してユーザーは全面的な信頼のもとで使用しています。
それらを裏切らないようにしてもらいたいと願うばかりです。
また、介護の現場では頻繁に道具の点検を行う余裕もありません。
今回の改善点(無償のストッパー提供と、警告ラベル貼付)は一定の評価ができますが、
商品開発時と市場に出回る前のチェック体制(基準)を見直してもらいたいと思います。
なぜなら、もう既に市場に出回った商品に対して100%改善をすることは不可能だからです。
チェック漏れなどで情報を知れ得ずに使い続けるユーザーは、これからも危険と隣り合わせに
いることは変わりないのです。
※ちなみに当施設へは、早ければ2008年3月上旬に「発送対応」になるそうです。
→延び延びになっているため、問い合わせたところ4月中旬〜下旬になるそうです。
対応が遅すぎる感があります。現場では毎日使っているのです!
↑このようなタイプの介助バーもストッパー提供の対象になっているようです。
会社(製造元)に確認しましょう。
※今現在(3月下旬)手元に届いている情報としては下記の通りです。
【対象機種】KA−095 KA−095A KA−095B → KA−095シリーズ用ストッパー
KA−088 KA−089 KQ−87R KQ−87L → KA−089シリーズ用ストッパー
<ネット上での情報>
パラマウント社ニュース
日本福祉用具評価センター
●医療・介護関係者・各団体様へのお願い:
会員組織や、会報などの連絡システムを通じて、上記内容の速やかな情報伝達をお願いします。
(介護型リハビリシステム研究所)
介護型 〜システムでよりよい未来へ〜
リハビリシステム研究所
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