その他の環境整備【70】

 扇風機で作る?!精米機 


去年からうちの施設(老人保健施設)では、OT(作業療法士)が中心になって
施設の屋上で「バケツ稲」というのをやっています。

稲を育てるのは季節感があり、利用者との色んな共通話題を提供してくれます。
植物を育てることは心身にも良い影響を与え、様々な効果を期待できます。

昨今の老健リハビリは「個別・個別」と、病院的なリハビリに偏りがちなので、
このような季節感を伴う作業そのものが無くなりつつあります。困ったものです。


「バケツ稲」というのは初期に病気が発生することもありますが、
ある程度条件が整うと、後は水遣り中心でそれ程手間はかかりません。

一番手間がかかるのは、稲が実った後の作業のようです。

もみを稲穂からとって、すり鉢の中で軟式ボールですると、もみ殻が外れます。
※これらの作業は、ネット上でも沢山紹介されているようなので省きます。

次に、そのもみ殻と、玄米を選別する作業があります。

選別作業にスタッフが手を取られていた(勤務時間外に一生懸命やってた)
ので、その場で簡単な「もみ飛ばし装置」を考案しました。




↑扇風機の前に、丸くしたボール紙を傾斜させて、そこを滑らせるだけ。

扇風機の風で、もみ(籾)殻だけは飛ばされてダンボール内へ。
玄米は滑り落ちて、ダンボール内の端にある容器に入るという仕組みです。
容器にもみ殻が入らないよう、簡単な仕切りをセットしたほうが良いようです。
細かい粉塵が周囲に散るので、なるべく屋外の方が掃除の手間が省けます。


つぎが問題の精米作業です。
玄米から表面のヌカ(糠)をはがすという作業になります。

   

↑バケツ稲では一般的に瓶に棒をひたすら出し入れして精米するようです。
この作業が
「かなり肩にこたえる」とのことで故障者続出!!
ちなみに左よりも右のタイプの方が精米効率は高いようです。
瓶のくびれ具合と棒の大きさにそのヒントがあります。 (b^ー゜)
ワンポイント


去年に比べて今年はバケツの量を増やした為、収穫量も上がり、
人海戦術で何とかしようとスタッフ・利用者は頑張っていました。
(・・・かといって、精米機にかける程もないという微妙な量、約10合くらい)
ですが、つつき過ぎで筋肉痛になり病院にかかるスタッフも出てきました。

いくら腕の筋力強化になるとはいえ、夢中になって故障するのもまずいと考え、
ここはいつものシステム考案で、新たな道具を製作することにしました。。




    手持ちの材料から、
約20分で完成させた装置がコレ↓




↑これが画期的(?)な精米装置です!!
「もみ飛ばし装置」で使っていた扇風機の羽根を外して、
ヨーグルトの入っていた小瓶に玄米を入れて回すだけ!!
放っておけば10分で出来上がるという、スグレモノです。


  

↑左が精米前(多少棒でついてます)。 ↑右が10分回転させた後。
※ちょっと撮影条件の違いで明るさが異なりますが、違いがわかりますか?


そこで、このホームページを見ている方が知りたいのは、
「どんな仕組みになっているのか?」だと思います。
※ひょっとしたら小学校の先生も見てくれているかも知れません。
これを参考にしてもらっても構いませんが、このホームページを参考にしたことを
付け加えてください。(もしプルタブ集めをしていたら、こちらも御参考下さい。)





↑ビンの中に入れていたのは、この棒です。
どこかで見たことがありませんか???
学校や主な施設なら、だいたい揃っているもの・・・




↑「彫刻刀」でした〜!!
これが使えるんです。ペンチで刀の部分を引き抜いて(ちょっと大変です)、
そこにドリルで綺麗に穴をあけて扇風機の芯をしっかり差込みます。
彫刻刀の先にある金属カバーもそのまま、穴を広げて補強に活用します。
彫刻刀の先にはネジを2本画像のように締めれば出来上がり!!
この「2本のネジ」がビンの中で渦を発生させて精米をしてくれます。
※比較的綺麗で丈夫な棒なら、彫刻刀の柄にこだわる必要はありません。

職員は皆、
文明開化がやってきた!
                  と、大喜び!


普通扇風機とかでもう少し大きいのを作れば、もっと効率的かもしれません。
試してはいませんが、「ハンドミキサー」でも何とかなる「かも」しれません。

●「収穫祭」で試食しましたが、もちもちしていて大変美味しかったです!

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【注意】
●当ホームページで掲載している内容は全て参考として紹介しています。
参考にされる場合は、自己責任・施設責任の上でお願いします。

●簡単に作れますが、機械を使うため、ケガには十分気をつけましょう。
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                                (介護型リハビリシステム研究所)


〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所
理学療法士,介護,医療,リハビリ,
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←米が飛び出さないように
  紙を1枚挟んでいます。




←ビン底は共回りを防ぐ為に
  ガムテープなどで補強
10分間回すだけ
クリップ式扇風機を本棚に固定して、
本で床の高さを 微調整したもの。