その他の環境整備【69】
ちょっと変わった杖先ゴム
2007年12月号の「かいごの学校」で杖特集を4ページ掲載しました。
もう目にされましたでしょうか?数回用にと資料と原稿を送ったのですが、
たった1回の特集としてまとめて出されてしまいました。 (;´д⊂)
大変なのに〜
興味のある方は本屋さんで読むか、取り寄せてもらえればと思います。
図書館で扱っているところもあるようです。
今回からは、番外編としてそれに関連した特集を組みたいと思います。
今回は、
「斜め突き」の話
です。
杖を使っている方で、常に斜めに杖を出す方がいらっしゃいます。
これが
「杖の斜め突き」
です。
→→→おそらく諸学校では習いません。
少しでも前に出したい気持ちはわかるのですが、このような「斜め突き」をしていると
濡れた床面(※)があったときに滑りやすくなり危険なのです。
(※例えば、清掃した直後の床、トイレや洗面所、風呂場近く、雨の日など・・・)
↑一般的な杖は、床に対して垂直について始めて能力を発揮します。
殆どの杖先ゴムもそのことを考慮して平らに作られています。
↑「斜め突き」をすると床との接地面積も少なくなり、杖の溝も役に立たないため
濡れた床では非常に滑りやすくなります。
また、杖先ゴムの片減りの原因ともなり、長持ちしません。
そうかと言って、長年癖になった「斜め突き」を急に改善することは困難です。
(強引に歩容を変えようとすると、かえってふらついたり、他が不注意になります。)
↑そこで登場したのがコレ。杖先ゴムに「くびれ」があるのが特長です。
(このようなタイプは約15〜20年くらい前から既に販売されています。)
↑これは「くびれ」部分に可動性をもたせて、ある程度の「斜め突き」に対して、
柔軟に床に接地し、滑り止め効果を発揮してくれる優れものです。
このタイプの杖先ゴムは、どこでも売っているわけではありません。
病院や施設、介護用品店などで相談して取り寄せてもらいましょう。
価格は500円〜800円、普通の杖先ゴムが300円ですから、そう高くはないです。
↑ただし以前「
危惧なる器具
」で紹介した、「くびれのない」このタイプはやめた方が
よいかと思います。理由は、
ここ
を見てください。
↑その他、このような「金属継手にバネをつけて自在に動くタイプ」も見かけました。
一見良さそうですが、床を押さえる時にグラグラ動きすぎて不安定に感じます。
杖先ゴム1個を変えるだけで、安全な環境に変えることが可能です。
(斜め突きはズレの力も加わるため、100%大丈夫というわけではありません。
傾ける角度にも限界があると考えて過信しないようにしましょう。)
(介護型リハビリシステム研究所)
〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所