<危惧なる器具>

   
  一本杖…その@

このシリーズは介護用品でこれってかえってキケンじゃないの??
というものを、多少の偏見もあるかもしれませんが特集しております。

一本杖は補助具として一番よく使われている道具です。
最近は、あれこれと工夫された杖を見かけるようになって
調整式・ハンドストラップ付きは当たり前になってきました。
ただ、杖先ゴムがツルツルの杖を平気で使っている人はよく見かけます。
濡れた床で「ツルッ!」といき、「ズデーン!!」と転んで入院することのないよう、
普段から「杖の裏(杖先)」には十分気をつけておく必要があります。

私の場合、評価をする時には必ず杖先ゴムをチェックするようにしていますが
専門家が必ずしも杖先をチェックするとは限りません(※)ので、周囲で気をつけ
なければなりません。普通の杖先ゴムは介護ショップまたは大手ホームセンターで
100円〜300円で手に入ります。1個くらい予備を持っていてもいいでしょう。
(※移動する際の「接地面環境」を点検して、整備するのは車椅子同様、重要です。
床面以外に、靴底の広さや傾斜・溝などの点検も重要なのです。)

杖先ゴムを外すには杖の握り手とゴム部分をそれぞれ持ち、逆に回せば簡単です。

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今回は、多少特殊な「杖先ゴム」を紹介したいと思います。

      今回の危惧なる器具は以下の物品です!



↑一見、何てことない普通の杖に見えます。
ハンドストラップも付いて、アルミ製、握り手も標準で何ら問題なさそうです。


↑この杖はなんと!「斜めについてもゴムが床をとらえる」という特殊杖先ゴムを
採用していました。別に驚く程でもなく、このようなタイプは以前から何種類かありました。
・・・とまぁ、ここまでだと、「何でこれが悪いのよ!」という声が聞かれそうなので
そろそろ問題点を紹介したいと思います。


↑杖先ゴムはこのような感じ。
根元に、強力なバネが内蔵され圧力に合わせて首が傾くしかけになっています。
ここまでは、特に問題はないのですが・・・


↑この画像が何だかわかりますか?
先ほどと同じタイプの接地ゴム部分が突然にはがれてしまったものなんです!
ツルツルの強化プラスチックがむき出しになっています。
これは決して、故意に剥がしたわけではありません。

そこで、このむき出し状態で歩行が可能でしょうか?
この杖先ゴムは以前、評価した利用者が「恐くて歩けない」と持ってきたので
杖先を調べて「なんだ?!これは?!」と驚き、そのまま保管しておいたものです。
その利用者には直ぐに新しい標準の杖先ゴムをつけて渡したので大事に至りません
でしたが、まるで
氷の上に木の杖を直接つくような「ツルッ、ツル!」の状態でした。
その方は、それまで恐くて杖をつけずに持ってふらふらと歩いていたそうです・・・

このタイプの杖先ゴムは「斜めにつく」という前提で作られているとすれば、
ズレ等のかなり無理な外力が、ゴム部分にかかると判断してゴム先を開発すべきでしょう。
外力に負けて「ぺろん」と剥けてしまった直後、突然「つるっ!」と滑って事故にあう・・・
そういう危険性を潜在的に持った「時限装置付きの杖先ゴム」と言わざるおえません。
仮に剥がれたとしても何とかなるくらいの配慮が欲しいものです(スパイク状にするとか)。
杖には
「杖先ゴム磨耗・劣化は生命の危険有!注意!」として目立つようにステッカー等で
危険性を知らせる必要があると考えます。
(杖全般にも杖先ゴムの定期交換を薦める「但し書き」は本体表示する必要があるでしょう。)

   杖先ゴムは要注意
 (虫ゴムにしてもタイヤにしても、ゴムは劣化するし消耗品なんです!!)


おまけ:
よく、「以前から使ってます」とか、「貰い物なの」という理由で木の杖を愛用されてる方が
いらっしゃいます。殆どそれらの杖は、杖先ゴムはあっても丸くてツルツル状態の物が
装着されていることが多いようです(中にはゴムすら付いていないものもありました)。
杖の柄自体、細かったりすると体重を支持するには不十分なので状況によっては新しい
医療用をお勧めしますが、杖先ゴムを交換すれば何とか使える物もあります。


↑この杖にも以前、丸っこくてツルツルの杖先ゴムがついていましたが・・・


↑このような杖先ゴムを購入して装着しました(長さ※も同時に調整しました)。
ゆるくて抜ける心配がある場合は、杖の棒へビニールテープを巻くとよいと思います。
※長さは肘を軽く曲げて、楽につける位の高さが理想です(ぜひ、専門家にご相談下さい)。



                                     (介護型リハビリシステム研究所)