その他の環境整備【48】
家庭用ベッドの改良法
以前コラムで紹介しましたが、
今年4月の介護保険改定でベッドや車椅子のレンタルに制限がかかりました。
要支援・要介護1の方で特殊寝台(ベッド)とその付属品を借りている場合、
寝返りや起上りをベットの柵、ひも、バーなど何かにつかまって一人でできたら・・・
「よかったですねぇ〜♪ もう必要ないでしょう!」・・・と、
ベッドと付属品を没収されてしまうんです!
せっかくベッドやその付属品を利用して自立度を上げても、結果は没収なんです。
ベッドを没収されて自立度が再び落ちたら・・・?
介護認定を再申請してベッドを改めて借りるしかないのでしょうか? (ノД`)わけわからん
そんなことをしているうちに、体力は低下していくことになります。自立を阻害するシステム以外の何者でもありません!
そのあたりの、再申請スパイラルについては「ぐるぐる構造」として「かいごの学校」でも書かせてもらいました。
仮に病院や施設において介護度が軽くなり自宅に帰れても、要支援や要介護1では
ベッド(特殊寝台)とその付属品、車椅子は介護保険では面倒みてくれないのです。
せめて、「引き続き利用したい」「購入したい」利用者に多少でも保険で負担して
くれればよいですが・・・
介護度が軽くなった途端に
「レンタル負担は1割から10割に引き上げです。
払えないならレンタル品を引き上げます。」・・・では困ります。
(区市町村等の一部自治体では補助が出る場合がありますので問合わせ下さい。)
「横出しサービス」というものです・・・自治体の予算、福祉対応で異なります。
さて・・・、ここまでは行政への単なる文句。ここで諦めては犠牲になるだけです。
既存のベッド(今まで使っていたベッドやお孫さんが使っていたベッド、安価なベッド)
で何とか代用できないか?・・・と考えました。
ベッドは適切な高さも必要ですが、安定した手すりがないと自立の障害となります。
では・・・その手すりをどうするか?・・・が問題です。
身近で安定した手すりはないものでしょうか??
コロンブス的発想で考えてみましょう。。。 ( ̄w ̄;)ゞえ〜〜〜っと・・・
まずは、食堂等で使っていない安定した4脚椅子を探してきましょう。
下にタイヤがついていたり、座面や背もたれ等が動く不安定な椅子は危険です。
その椅子と普通ベッドの組み合わせで介護現場が劇的に変わります。
方法は下の図の通り・・・「かいごの学校」10月号に使ったラフ版(直筆)を使います。
↑このように既存ベッドに頑丈な椅子を「しっかりと」固定するだけ。
・・・たったこれだけ。これだけで安定した手すりが誕生します。
これを使って寝返りしたり、起き上がったり、立ち上がったりが可能になります。
↓向きを変えれば、買うと4万円もするRバー(介助バー)の出来上がりです。
(※肘掛けがついていれば向きを変える必要は基本的にありません。)
↑椅子の背にはトイレットペーパーの芯に紐を通してぶら下げたり、
椅子の座面に空き箱を置くと、眼鏡やリモコン、薬、懐中電灯などを収納できます。
・・・以上の方法をとるかとらないかで、そのまま自立の生活を目指せるか、
寝たきりになり要介護2以上の資格を得るか・・・の運命の分かれ道になります。。
『専門家の方へ』
知ってしまったからには現場で必ず応用してくださいね♪ “ヘ( ̄∇ ̄ )
指導だけではなく、その場で行動しなくては意味がありません。
【ちょっと辛口後記】
このような現場で役立つ裏ワザはリハビリ学校では殆ど教えてくれません。
多くの教官が介護現場を知らないし、関心がない(問題意識がない)のも一因です。
専門職集団にもこのような裏ワザを発表して伝えていく安定した土壌がありませんし、
全体意識が希薄な現状があります。・・・お陰様で、この研究所が成り立つのですが・・・(;´д`)ゞ
※今回の特集は「かいごの学校」10月号の一部掲載内容とリンクしています。
(介護型リハビリシステム研究所)