「ブレーキ」整備法 パート11

      無理やりブレーキ修理法

ブレーキ整備も今回で12回目です。
この「車椅子整備」特集の中でキャスターに次いで多いのがブレーキです。
それだけ壊れやすい場所と言えるのではないでしょうか?

ブレーキの整備不良、未整備は事故に直結しますし、結果として死亡することすらあります。
・・・ですから、これからも色んなケースの解決法を紹介していきたいと思います。

今回の車椅子はホームセンター等用にアジア圏で安価に大量に生産されたタイプです。
安く仕上げてある分、一度故障すると修理・調整がかなり困難なんです。

欧米にも輸出する為かサイズが大きく、逆に大柄な方には、意外と気に入られています・・・。
この所有者にも何度か別のデモカーを用意して乗り替えをお奨めしましたが応じてくれません。

仕方ないので、何とか乗れるように調整する必要が出てきました。




↑今回のブレーキはこのようなタックルブレーキです。いかにも弱弱しいです・・・。


 

↑こんな感じでかなり横方向に「ガタつき」があります。
固定部分がガタガタでブレーキ制動が不十分という症状なのです。原因は根元にありました。




↑ネジの根元をアップにした画像です。矢印部分に隙間があいています。
ここの根元の頭をネジで締められれば良いのですが、何と!潰してあるだけなんです。
仕方ないので何とかしてこの隙間を埋めなければなりません。


こういったケースに当研究所として行なっている方法は、現在2種類ほどあります。

今回はその2種類とも一緒に公開したいと思います。
           本当は2回に分けて紹介した方が楽なんですけど・・・・(;´д`)ゞ

まず第一に、スタンダードな解決手段は・・・・




↑ワイヤー(針金)でくるくると隙間を埋めて、きちんと捻ったら最後にパチンとカットする・・・
・・・という方法。これは比較的簡単にできます。

次に行なう方法として・・・




↑適当なサイズのワッシャーを探してきます。これを何とか隙間に入れようと思います。
・・・ですが、ここの部分は奥の端が潰してあり外すことはできません。。

               (b^ー゜)そこで・・・




↑グラインダーを用いて、ちょっと加工したいと思います。。
加工の際はきちんと固定できる万力などを使った方が安心です。
突然外れて目に入ったりしたら危険です。失明の恐れもあります。気をつけましょう。




↑このように加工しました。よく、視力診断で使うようなマークにそっくりですね。
外側に向かって広げるように加工するのがコツです。これを・・・・




↑先ほどの隙間にペンチを使って「ぐっ!」と押し込みます。




↑隙間が埋まったら、逆さにして外れたり落っこちなければ固定されている証拠です。




↑最後に周辺のネジ等を調整して、なるべく軽い力できちんとブレーキがかかるようにします。
後はいつものように、元気に現場復帰していきました。


     【ブレーキ調整のコツ】   d(*⌒▽⌒*)b

ブレーキの調整は、空気をきちんと入れた後に調整することをお奨めします。
ブレーキ調整後に空気を入れると、
ブレーキがきつくなったり、空気圧で押し戻されてブレーキが外れることがあるからです。
そうなると、再び再調整しなければいけなくなるので二度手間になります。

「空気圧調整→ブレーキ調整」の順番がお奨めです。

一番のチェック方法は、何といっても!
「虫ゴムチェック→空気圧調整→ブレーキ調整」
です!! (☆^ー゜)v



※当ホームページで紹介している内容は、「応急的対処法」が殆どです。
真似をする場合はくれぐれも自己責任でお願いします。責任は一切持てません。
長期に使われる方は新しい部品を取り寄せるか、車体そのものの新調をお奨めします。



                                  (介護型リハビリシステム研究所)

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真上から見たところ
(左右へのガタつき)