「キャスター」整備法・パート16

    キャスターゴムが縦割れしたケース

今回はちょっと面白いケースを特集します。
キャスターのゴムが何と!縦に綺麗に割れてしまった?!・・・という珍現象が起こりました。

やはりこの車椅子も一時期日本以外のアジア圏で相当安価に生産され、輸入されて
ホームセンターなどで安価に販売された車椅子のようです。
10〜15年位前から某ホームセンターでずいぶん粗悪なタイプが安価に販売されているなぁ
・・・と思っていた大きいサイズの車椅子・・・まさにこれ・・・これにはいつも頭を痛めています。

もともとが利用者の寄贈品で、今は体の大きい入所者が使っているのですが、サイズが大きい
ためにお気に入りになっていてなかなか処分できないでいるのです・・・。
身障手帳で製作すると言う手も話してありますが、遅遅として進まない状況です。。




↑問題の車椅子・・・・。ガタつきも多く、大車輪のバルブは米式という困った仕様です。




↑問題の部分です。裂けた破片が脇にあります。
これがあったからといって、貼り付けて使うわけでもないのですが・・・持ってきてくれました。




↑問題箇所の拡大画像です。裂け目が至るところに見られます。。
完全に限界を越えて使った・・・燃え尽きた・・・という感じで、自分的には好きな画です。。




↑反対側のキャスターゴムもゆるゆるで、細かいヒビも沢山あり、触ると白い粉が手につきます。
こちらのキャスターゴムも既に限界です。いずれバラバラになっていくでしょう。。




↑ただ、ベアリング周辺だけは素晴らしく綺麗で元気でしたので再利用することにしました。
(日頃の整備の賜物ですかね〜?たまたまかも知れませんが・・・。)




↑早速、予備のキャスターを何個か用意しました。上手いこと合ってくれれば良いのですが・・・。
今回は、ベアリングが先に逝っちゃったキャスターがありましたのでそれを利用することにしました。




↑ベアリング固定が僅かに甘かったのでティッシュを挟んでごまかしました。( ̄▽ ̄;とりあえずって事で・・・




↑ボルトを通して固定すると・・・何と!これだけの隙間ができてしまいました。。。 (T_⊂)
微妙に国産とは違うんですよね〜、いつも泣かされるところです。・・・でも、何とかします!!




↑このようなワッシャーを用意して・・・。




↑両方の隙間に入れることで、難なく問題は解決です。 (´▽`)ノ
                           ティッシュ跡はホコリを巻き込みそうなので、やすりで処理しました。




↑最後に下から覗くと、フレームのクロス部分に異常なほど隙間があります。ひぇ〜!!!
ガタつきもあるため、何とかしたいところです。それにしても最初からこうだったのでしょうか?
もし、そうだとすると恐ろしい車椅子です・・・。


      

↑先ほどのワッシャーとボルトを用いて隙間を埋めてしっかりと固定しました。スッキリです!



この後、利用者のもとに元気になって戻っていきました。とりあえず、めでたし。めでたし。。
それにしても・・・キャスターの壊れ方ってのは色々とあるものですねぇ〜。。
ゴムに含まれるはずの劣化防止剤が不十分だったか、空気中のオゾンが原因なのか??
(施設内では臭い等を防ぐ目的で、オゾン発生装置でオゾンを発生させていることがあります。)
いずれによ、触ると白い粉がつくキャスターゴムは、既に限界を越えていると判断して
早めに交換した方が良いでしょう。外出時に問題が起こると面倒なことになりますよ〜〜。



                                  (介護型リハビリシステム研究所)