「車椅子は医療機器?」
病院や施設における車椅子とは?
このコラムでは、管理人が勝手気ままに感じたことを書き込んでいます。
今回は、「車椅子は医療機器なのか?」というテーマでいきたいと思います。
結論から先に言いますと、車椅子は「医療機器」ではありません。
「
福祉機器」の仲間なのです。
(;^_^A
では、「医療機器」と「福祉機器」の違いは何なのでしょうか?
(._・;)>?
「医療機器」の殆どは、メーカー(販売店)からまず専門職に渡りますが、
「福祉機器」の殆どは、メーカー(販売店)からユーザーに直接渡ります。
・・・と言われています。  ̄∇ ̄;)
じゃ、「医療機器」って何なのでしょう???
平成17年4月1日より「医療用具」が「医療機器」と名前を変えました。
そして不具合が生じたときの人体に対するリスクの大きさ別に3つに分類されました。
その分類とは・・・
1.「一般医療機器」・・・リスクが極めて低い・・・販売業,賃貸業は「届出」不要
2.「管理医療機器」・・・リスクが比較的低い・・・販売業,賃貸業は「届出」必要
3.「高度管理医療機器」・・・リスクが高い・・・販売業,賃貸業は「許可」が必要
※また、保守点検・修理、その他の管理に必要な知識・技能を必要とする医療機器として
「特定医療保守管理医療機器」が設定され、販売業,賃貸業が扱う場合は「許可」が必要です。
ん〜・・・( ̄w ̄;) 結構、難しい内容っぽいので詳しい説明はこのくらいにして・・・
具体的に何があるか、手元の資料「医療機器クラス分類表」で調べてみます・・・
「
一般医療機器」には・・・
リハビリ機器でいうと「湿式ホットパック装置」とか、「冷却パック装置」「握力計」「背筋力計」など。
手術で使う機器では、「メス」とか「ピンセット」、「はさみ」、「のこぎり」などが含まれています。
他に、視力検査用の「視力表」とか視力補正用の「眼鏡」、「家庭用低周波治療器の導子
」とか、
「生理用タンポン」、「救急絆創膏」、「水銀体温計」というのも含まれているんです。
「
管理医療機器」には・・・
リハビリ機器だと「低周波治療器」とか「マイクロウェーヴ」「パラフィン浴・温浴機器」も属します。
他に、「電子体温計」「耳赤外線体温計」「電子血圧計」「補聴器」「入れ歯安定剤」「コンドーム」など。
家庭用の「電気マッサージ器」「エアマッサージ器」「吸引マッサージ器」「ローラー式指圧器」「低周波
治療器」「赤外線治療器」「電気磁気治療器」なんかも含まれているんです。
「
高度管理医療機器」には・・・
視力補正用の「コンタクトレンズ」、「子宮内避妊用具」、「歯科用漂白材」、「人工関節」、
「除細動器(手動・半自動・全自動いずれも)」などがあります。
ふぅ〜・・・何せ数千種以上も分類されているんで、調べるのも大変です・・・
(-_\)
・・・でも、結構面白いですよね。
「医療機器」とは薬事法上、次のように定義されているそうです。
人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、
又は人もしくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが
目的とされている機械器具等であって、政令で定めるもの
「福祉機器」の定義は・・・
心身の機能が低下し、日常生活を営むのに支障のある心身障害者や
高齢者の自立促進ならびにこれらの者の介護を行う者の負担を軽減するもの
ん〜???つまり・・・
「医療機器」は治療若しくは予防が目的で、
「福祉機器」は動物は除いた自立・介護が目的・・・
まぁ、そんなふうに解釈しても宜しいでしょうか??? (;´д`)
納得いくような、いかないような・・・
「福祉用具」にも別に定義があるそうで、こちらは・・・
心身機能が低下し、日常生活を営むのに支障のある老人もしくは心身障害者の
日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具
ならびに補装具をいう
・・・だそうです。
機能訓練のための用具ならびに補装具となるとリハビリに必要な器具はここら辺に
収まりそうですね〜。
「捕装具」ってところに、上肢、体幹、下肢の装具、義肢、車椅子などが含まれるわけです。
身体障害者手帳で必要とされれば、それらの捕装具が交付されるようになっています。
でも、入院・通院時に「治療目的で必要」ってことであれば、上肢、体幹、下肢の装具、義肢は
医療保険で作製することができるんです。
でも、なぜか車椅子は蚊帳の外・・・「治療目的」で作製できないんです。
(2005.10.20:千葉県社会保険事務所にて確認済み・・・「日常生活で使うものだから」とのこと。)
早期に離床して、安定した座位を確保することで疾病(合併症)を予防し、更に自立を高める目的で
座位保持そのものを専門家が調整(シーティング等)して良い車椅子を処方していく事は
、
身体の構造もしくは機能を改善する治療とは
認められていないんです。
もし、認められれば、優良な車椅子を比較的安価に早期に手に入れることができるでしょう…けど。
いや、どうしても制度上無理というなら、始めは車椅子全部でなくてもいいんです。
座位保持訓練用として、モジュール(組合せ)型の「フレーム」と「シート」だけでも医療保険がきけば、
かなり良い物を処方できるでしょう。
合併症を防ぎ、早期自立を目指せば、長期的に見て医療費全体の削減に繋がると思うんですが
ねぇ。
重度障害で長期使用が目的の
治療(離床)用車椅子は、医師が必要な処方箋を書くことで、
「義肢・装具」と同じように医療保険がきけば、より良い車椅子が使える可能性が高まるのになぁ・・・
と思います。
早期に専用シート(車椅子)が処方されれば、それだけ訓練効果が上がり自立度が高まるはずです。
保険がきいて、シーティング設備が売れるとなると、各メーカーは意気込んで開発に力を入れ始め、
国産車椅子も今より更に良い物に進化していく可能性があると考えます。  ̄∇ ̄;)
あまぁ〜〜い!かな?
車椅子が、「義肢・装具」または「眼鏡」並みに扱われる時代は来るのか??
・・・まぁ、行政に関わることですから、
今回も「勝手気ままなコラム」の勝手な屁理屈と一笑に付してもらって結構です。。
次回のコラムは、「こうなったら直接、行政に物申そう」と
社会保険庁長官にお手紙した?!という話題です。
車椅子制度については、リース制度まで言及して、今回を含め3回連続のコラムを予定しています。
(介護型リハビリシステム研究所)