その他の環境整備【33】

    靴型装具の調整法

麻痺した足を保持して歩きやすくするために、下肢装具を使用することがあります。
この装具には主にプラスチックと靴型(支柱とセットになっているもの)があります。
支柱付きのプラスチック装具というものも中にはありますが・・・。
これらは麻痺後に適切な評価のもと、早期に歩行獲得をする目的でつくられます。
リハビリのプロはDrや本人・家族と相談して、その方に今一番適した装具を的確に
速やかにつくってくれる・・・はずです。
つくりっぱなしでなく、その後のフォローもきちんとしてくれる・・・はずです。(;^_^A

装具は、利用者の自立度を上げ、生活範囲を広げるのに便利な道具ですが、その時その時で
見直したり、細かにセッティング(調整)していく必要があります。
ここでは、比較的日常的に行われるセッティングを紹介したいと思います。
ただ、あまり急激なセッティングは事故を招く危険がありますので、本来は専門家(できれば
サジ加減の効くベテランが望ましい)にやってもらうのが良いと考えます。




↑利用者の装具です。最近、足を出しにくくなったとの訴えで足元をチェックしました。
なるほど・・・装具を振り出す際につま先に引っかかりがみられます。
よくみると、装具のつま先がやや下がり気味になっていました。
この方は装具に万歩計がついているとおり、比較的歩きこみをされる方なので、装具への負担も
大きく、時々微妙な調整を行っています。

このような装具は、左右の金具が靴の中敷を通して繋がっています。
いわゆる「あぶみ」とよばれる部分ですが、その辺りを中心に経年で徐々に歪んでくるのです。
上の画像の矢印の奥辺りが特に歪んできます。歪みがすすむと隙間が生じるので良く分ります。
この歪みに対して、定期的に角度を調整(セッティング)していく必要があるのです。
(この部分は鉄製の為、限界を過ぎると金属疲労で折れてしまいます。2〜3年で新調が無難です。)




↑まず左右の六角ネジを緩めて・・・・・(私は、履いてもらったまま調整しています。)
※ここのネジが脱落したり、緩んだ状態で歩いている方がいます。その場合は早急に、ネジを
取り付けたり締め付けたりなど対処してください。危険です。
また、この辺りが歩行時に異音を生じる場合、さかさまにして注油して可動させてみて下さい。
汚れが排出されて、サビつきが原因でのキィキィ音が解消されるはずです(脱いで行います)。





↑適当な物をつま先に差し込んで適当(理想的)な角度に調整します。⇒底屈制動位置の調整
(※基本的には0度とされていますが、姿勢・歩行・変形・装具などの状態により異なります。)




↑マイナスドライバーで中央をネジを締めていきます。軽く抵抗があったらそこで六角ネジ
を締め付けて作業終了です(六角ネジを紛失していたら、ホームセンターなどで購入しましょう)。

この場合、左右一箇所ネジのあるタイプ(クレンザック)でしたが、二箇所ずつネジのあるタイプ
(ダブルクレンザック)というのもあります。
やり方はほぼ同じですが、微妙なので何度も歩いてみて歩容をチェックする必要があります。
(つま先の上げすぎは膝が前に出すぎて、膝折れをおこす危険性が高まるので注意しましょう。)





↑その方の日常の歩行具合は靴の裏を見るとよくわかります(靴底や皮膚の状態⇒履歴書)。
画像はつま先の一部が磨り減っています。常につま先が地面に干渉していた証拠です。




↑あまりに無駄な出っ張りは危険なだけなので、本人(できれば家族も)と十分話し合って、
合意の上で削り落とすことも調整の一手段です(良い方の靴に中敷を追加する手もあります)。


何度も申し上げますが、
ここで紹介した内容は、私個人が経験上やっている自己流の調整方法です。
ホームページ全般に言えることですが、くれぐれも「自己責任」でご判断下さい。
利用者の障害状況、歩行の癖、姿勢、変形具合により微妙な調整が必要になるケースも
かなりあります。
理学療法士・義肢装具士などと相談して、装具の新調も視野に入れての検討をお奨めします。
(通常2〜3年で、保険や手帳を使って新調できるはずです。無理に使い続けても調整には
限界がありますので注意しましょう。突然壊れると、次のができるまで歩行できなくなります。)






                                    (介護型リハビリシステム研究所)

 
←支柱付き短下肢装具・・・
  とも言います。
  色んな呼び方がありますが、
  呼称は気にしないで下さい。
 細かい名称は(;´д`)ゞ忘れるんですよねぇ…
 呼び名にこだわるより整備内容にこだわりましょう…
↑注油
  箇所
足装具簡単整備法:パート3