グリップ(押し手)交換法

   頑固なグリップを交換するには・・・?


今回は、車椅子の押し手部分(グリップ)を交換するという話題です。
通常あまり交換する場所ではありませんが、時に外れていたり、切れていたりする
場合があります。
そのときに、部品取り車椅子があれば、そこから持ってこれるというわけです。
ただ、この「グリップ」簡単には外れてくれません。
ほぼ、固着しているという感じで微動だにしないのが普通です。
まぁ、簡単に外れたりすると下り坂で「すぽっ!」と抜けたりして、車椅子が暴走していく
という、コメディとして済まないような事態をまねく恐れもあるので仕方ないのですが・・・。




↑手前(左)の車椅子のグリップ末端が切れてフレームがむき出しになっています。
右側はなぜか既にありません。この車椅子は本人用で比較的グレードの高い車椅子
なのですが、グリップ部分がソフトで握り易い分、痛みも早かった・・・ということでしょう。

そこで、ドナーとして保存していた右側車椅子のグリップを拝借することにしました。




↑普通のグリップは先述しましたとおり、簡単には外れてくれません。
なるべくワット数の高いドライヤーで握り手全体を「あつあつ」に温めます。
ヒートガン(医療用でよく使う、高温ドライヤー)は使わない方が無難です。焦がします。
これで膨張すれば、かなり外れ易くなるのですが、それでも外れない場合は・・・




↑このように、細めのドライバーを隙間に差込み持ち上げて、
数箇所に軽く浸透潤滑剤を吹き込みます。(ケガをしないよう気をつけて下さい)

そして、しっかりグリップを握ってグルグルと回しながら外していきます。




↑「すぽっ!」と上手く外れたら、中をティッシュなどで綺麗に掃除します。
油が残っていると、抜けやすく紛失や事故につながる可能性があります。




↑はい!無事に移植が終了しました。フレームのサイズはおおよそ共通なので
グリップの互換性は高いといって良いでしょう。処分の際も外しておいた方が無難です。
(鉄としてのリサイクル分別性と、グリップ部品としてのストックができるという目的で)

ちなみに、自転車屋さんで交換してもらうと800円かかるそうです。

それにしても、ここのグリップエンドに反射板のついているタイプが少なくなってきました。
ただでさえ、低い姿勢となる車椅子に、夜間の視認性を向上する反射板がないというのは
変な話です。車椅子使用者は夕方や夜間に出るなということでしょうか?
メーカーには安全確保を目的に、各方向の反射板を標準装備させてもらいたいものです。



                                  (介護型リハビリシステム研究所)

しゅー!
ゴォー!!