地方鉄道の活用と発展をめざす勝山サミット宣言

 

 深刻さを増す環境問題への対応、交通事故の防止、 自動車を利用できない交通弱者の移動手段の確保など、 多くの観点から鉄道の活用が期待されている。
 鉄道は、道路と同じ社会資本であるにもかかわらず、 投資は道路に偏っている。
 また鉄道は、単独の交通機関にとどまらず、まちづくりと 一体的に考えるべきものである。
 しかしながら大都市やその近郊の鉄道を除くと、長引く 不況による景気低迷や少子化等の影響も加わり、地方鉄道や 第3セクター事業者の大半、また大手事業者においても 路線別にみて、地方部分のほとんどが赤字経営に陥っている。
 平成12年3月の鉄道事業法の改正において需給調整規制の 廃止が取り入れられ、鉄道事業の活性化が期待されながら、 現実には鉄道事業者から撤退の意思表明が相次いで いるのが現状である。

 このような状況のもと、各鉄道事業者は合理化を進め、 また関連事業を活用し、安定かつ安全な鉄道の運行維持を 目指してきた。また沿線自治体や住民においても、財政的な 支援や、鉄道の利用促進運動を展開するなど、鉄道の 運行維持に協力している。
 さらに本サミットを開催した京福電鉄(当時)沿線の自治体の ように、第3セクターを設立して鉄道サービスの継続をはかるなど、 新たな試みも実施しているところもある。

 本日ここに集まった「鉄道存続のまちサミット IN かつやま」 参加者一同は、国に対して必要な施策を要望するとともに、 鉄道事業者・地方公共団体・交通利用者団体が連携して 鉄道利用促進の仕組みを構築し、地域鉄道を活性化するために 最大限の努力を行うことを目指し、下記のとおり宣言する。

 

(1) 鉄道事業者は、地域の人々の愛着と信頼に応え、安全かつ 効率的で、質の高いサービスを提供するよう努め、沿線住民と 協力し、利用者の意見を反映した経営に努める。

(2) 地方公共団体は、国および関連機関・事業者・利用者相互の 調整の役割を担い、鉄道と連繋して機能するバスなど公共交通 機関の活用や、徒歩・自転車などの交通手段も視野に含めた 快適な交通環境を整備し、もって鉄道の多面的な機能を発揮する 施策を講じるよう努める。

(3) 利用者は、交通手段の選択にあたって、境や安全の面で 優れた公共交通機関、特に鉄道を選ぶように努め、利用にあたって マナーを守り、乗客相互の快適な利用環境を醸成するとともに、 安全かつ安定な運行に協力する。

(4) 鉄道事業者・地方公共団体・利用者は、連携して鉄道利用促進の 仕組みを作り、地域生活の質の向上に役立つ交通システムとしての 鉄道の活性化に努める。

(5) 鉄道事業者・地方公共団体・利用者は、鉄道が未来に引き継ぐ べき貴重な資産であり、安全面、環境面、経済面において、持続的で 質の高い交通体系にとって重要な役割を担うことを自覚し、鉄道と 道路交通が、公平な競争条件の下に各々の機能を効率的に発揮 できるよう、鉄道のインフラ部分が公的に保証され、いわゆる 「上下分離」が地方鉄道施策の基本となるように、国および 関係機関に強く要望する。

 

平成14年12月1日

鉄道存続のまちサミット IN かつやま 参加者一同