2000年6月7日
全国鉄道利用者会議 代表 武田泉
拝啓 貴党におかれましてはわが国の未来のために日夜ご奮闘のことと存じます。
さて、全国鉄道利用者会議では各党の交通政策についてアンケートを行なうことに
しました。
国の交通施策、特に鉄道施策について、各政党の考え方を明らかにしてもらうため、
以下の質問を提出させて頂きます。
選挙前のお忙しい時期とは思いますが、どうかご回答へのご協力をお願いします。
なお、ご回答は6月18日までに、下記連絡先までお願いします。
*質問対象政党
自由民主党、公明党、保守党、民主党、
日本共産党、自由党、社会民主党
記
1 新たな国土交通省の役割
省庁再編により、現在の建設省・運輸省・国土庁等は国土交通省に一本化されま す。その結果、交通部門を扱う省庁が1つになり、省内での調整能力も問われること となります。国土交通省に対し、今後の国の交通施策に関してどのような役割を期待 しますか。
2 整備新幹線並行在来線
新幹線の整備が進められている区間では、原則として並行在来線がJRから経営
分離されますが、大半の自治体では第3セクターによる在来線の存続を計画していま
す。
整備新幹線の必要性を疑問視する意見や、在来線のミニ新幹線化の動きもある中
で、新幹線の整備及び並行在来線の経営分離について、どのような見解をお持ちです
か。
3 鉄道路線の廃止
鉄道路線の廃止には地元自治体の同意が必要でしたが、7月の鉄道事業法の改正 によって、今後は地元自治体の同意なく路線の廃止が可能となります。現にこの規制 緩和を先取りし、いくつかの路線の廃止が決定しています。この件について、どのよ うな見解をお持ちですか。
4 着席率
東京などの大都市圏では「通勤地獄」と指摘される程の通勤ラッシュが何ら解決さ れること無く放置されています。都市近郊の鉄道混雑緩和の指標として、「乗車率」 (乗車人数/定員)が用いられますが、鉄道車両の定員は立席分を含むため、乗車率 の減少=立席乗車人数の減少となっていないのが現実です。見掛け上の混雑は緩和さ れても、逆に座れなくなるという事態にもなっています。「着席率」(着席人数/乗 車人数)を指標として公表する必要性について、どのような見解をお持ちですか。
5 道路特定財源の使途
鉄道整備は民間企業の資金により行われるのに対し、道路整備はガソリン税等の 道路特定財源により整備されており、国家歳出の大きな割合を占めています。この道 路特定財源を、公共交通機関など道路整備以外の目的にも用いるべきという考え方が ありますが、道路特定財源についてどのような見解をお持ちですか。
6 鉄道分野の情報公開と市民参加
最近、行政の情報公開や市民参加の必要性が強く叫ばれるようになり、例えば交 通部門では道路整備に関するパブリック・インボルブメント(PI)の試行が進めら れています。一方、鉄道事業は公益性が高いものの、民間企業の事業であることか ら、鉄道事業者の苦情処理システムや行政監察制度が不十分で情報公開や市民参加、 苦情処理等の制度が保障されていないのが現状です。今後の鉄道事業に関する情報公 開や市民参加の推進について、どのような見解をお持ちですか。
7 三大都市圏の都市交通対策
都市・近郊の交通政策として、どのようなことをお考えでしょうか。以下の番号を優 先順に並べるとともにお考えをお書きください。
8 地球温暖化対策と交通部門
1997年の地球温暖化防止京都会議において日本はCO2排出を6%削減する公 約をしました。交通運輸分野において温暖化防止の立場から担える役割についてお知 らせください。特に鉄道貨物の役割の有無について触れてください。
9 共通運賃について
JRと地下鉄やバスを乗り継ぐ際初乗り運賃が加算されます。共通運賃通算制(共 通運賃制度や運輸連合制度)にすることで公共交通の利便が増すと思いますが、共通 運賃通算制についてどうお考えですか。また、実施時期やその実施できない場合の障 壁についてご意見願います。
10 鉄道新駅設置への自治省の対応について
国鉄改革(分割民営化)から13年経ちますが一部改革当時の新駅開業ブームは 影を潜め一部の地域を除いて新駅設置は進んでおりません。地方財政特別措置法第2 4条の規定で地方公共団体はJRに財政的な支援が禁止されております。この法につい て新駅設置での例外規定を設けることが新駅設置の条件とJRが主張しますがこの件に ついて政党の意見を願います。また、国の公共交通支援策として新駅設置の具体的な 支援策を講じるべきか否かをお知らせください。
11 鉄道事故調査
鉄道事故調査はその専門性が故に調査・報告まで時間がかかります。一方航空事故や 海難事故の際には国の事故調査委員会や海難審判庁が機能し第三者的立場から 事故原因の追究と再発防止策が講じられます。今回の地下鉄日比谷線事故では運輸省 鉄道局長の私的諮問機関である鉄道事故調査検討会が事故調査をしましたが、第三者 機関としては先の事故調査委員会とは比べ権限も不十分ですが、この運輸省事故調査 委員会の強化策について必要か否かをお知らせください。
12 クルマ社会の抑制策
クルマ社会の進展には目覚ましいところがあり、地方都市では市街地の空洞化
なども顕在化していますが、クルマの便利さにはかなわない とのことであいかわ
らずマイカーが増加しています。マイカーの抑制のために様々な対策がありますがガ
ソリンの販売価格を2〜3倍にする事について どのようにお考えですか。
また、ロードプライシングや環境税の導入についていかにお考えでしょうか。明確に
お答えください。
13 JR 割引きっぷ,窓口でのクレジットカードの利用条件について
国鉄改革後JR 各社は一部を除き運賃値上げをせずに鉄道を運営しようと努力して
います。その一方従来鉄道利用者に親しまれてきた割引きっぷのうち、エリア内乗り放
題の周遊券や「ウイークエンド切符」(JR東日本)や、「山手線均一回数券」など使い
勝手の良いものが相次いで廃止され、新幹線などでは個人客は事実上定価でしか利用で
きない状況になっていて、事実上隠れた「値上げ」となっています。他方で航空路線が
運賃自由化で大幅な値下げも実現している中、鉄道だけたいした割り引きのない定価販
売となっている状況を、どのようにお考えでしょうか。
またJR東日本や東海では駅の窓口で一般のクレジットカードが利用出来ないような状況になっています。
このような,鉄道からマイカーや飛行機に利用者が流れてしまいかねないようなJR
の経営姿勢について、どのようにお考えでしょうか。またこのような状況に対して、監
督官庁はいかなる対応を示すべきかお考えを伺います。明確にお答えください。
以上