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2.駐車場整備に係る環境影響について−大気汚染−
この事業では高層建築物に合わせ、800台もの駐車場を整備する計画となっています。しかし、事業計画地は東京駅という日本の鉄道の中心ターミナルで、鉄道利便性はもちろん日本一を誇る場所です。その上に、周辺には既往の駐車場が十分整備されています。これは東京駅周辺の駐車場分布を示したものですが、事業計画地から徒歩5分圏内の半径600mをとると、円内の駐車場は合計49箇所あり、総収容台数は6000台以上にもなるのです。また、駐車場1箇所の規模は最大でも日本ビルの640台で、大半の駐車場は1箇所300台未満ですので、今回の800台という規模が周辺の駐車場に比べていかに大きいかもわかると思います。
このような交通インフラが十分整備されている場所では、一般の人は鉄道を利用し、業務等で車を利用しなければならない場合でも今ある駐車場に入れれば済むのであり、新たな駐車場の整備は必要ありません。重い物を出し入れするトラックが横付けできる程度の、最低限の荷さばき場があれば十分です。
日本橋・八重洲地区は、自動車排ガスの深刻な大気汚染に悩まされている地域です。この地区にさらに800台もの駐車場を整備すれば、新たな自動車交通量が発生し、渋滞の増加と排気筒からの汚染物質増加を招き、大気汚染を一層深刻化させることは必至です。
大気汚染に悩む多数の都民意見に対し、見解書では「環境基準達成は広域的な課題」とか「国及び東京都において取り組みを行っている」などの見解が示されていますが、これでは事業者自らの責任を放棄するも同然です。自動車公害を改善するには、車からエネルギー効率の良い鉄道・軌道系公共交通へモーダルシフトを図ることが不可欠で、JR東日本は国内最大の鉄道事業者として果たすべき、大きな役割が期待されているのです。例えば東京都の環境基本計画には、開発に伴う発生集中交通に対してはこう書かれています。「自動車交通量が増加する恐れがある場合には、公共交通機関の利用促進など、交通量の抑制を促すことが必要であり、そのための仕組みを検討していく」とされています。つまり、自動車交通量が増加する恐れがある駐車場事業や、東京駅丸の内駐車場でやっているいわゆる「東京駅パーク&ライド」などをこれ以上進めることはやめ、鉄道利用者サービスの向上と鉄道の利用促進を目指すこと、一言で言えば本業たる鉄道事業に本腰を入れて取り組むことこそが、JR東日本が率先して行うべき大気汚染対策なのではないでしょうか。