4/17開催の公聴会での意見陳述を希望します
藤村建一郎
所属:全国鉄道利用者会議関東支部
*意見:
今回意見陳述者は、利用者の立場から鉄道の改善と利用促進を全国的に活動する全国
鉄道利用者会議会員として、小田急線高架複々線化事業について意見陳述したい。
事業計画について環境保全の立場から問題点を指摘すると、今回のアセス案は事業を
細分化で梅ヶ丘で分割し、一事業当たりの環境負荷は少ないとされる。全体を1事業と
みなして予測評価すべきである。今回の案では層が入り乱れる大変複雑な構造で難工事
が予想され、相当多くの重機の投入が必要であろう。また、急勾配を上り下りする列車
は、エネルギー効率的にも適切ではなく、線路条件が悪く中目黒事故のような脱線の要
因も形成しかねない。もっと単純な工法の場合や、梅ヶ丘以西も地下化の場合等との比
較評価が必要だ。廃棄物(建設発生土)について多くは開削工法とされるが、世田谷代
田付近は掘削土量が増大し、付近住宅地への影響が大きく、シールド工法も選択肢に入
れるべきだ。
鉄道計画面についてでは、従来から鉄道事業計画への市民参加は大幅に遅れ、都市計
画やアセス等の別法令によってしか確認が出来ない点に問題がある。裁判の判決により
、これまでの経緯や代替案の検討、市民参加のあり方が大きく問われている。このこと
に事業当局はどのように考えているのか。具体的には、運政審答申の持つ意味や拘束力
、地下鉄千代田線の世田谷通り経由喜多見接続案断念の理由、多摩ニュータウンへの新
百合ヶ丘分岐、代々木上原接続という複々線化案、環八部分先取りの決定時期と理由、
高架複々線化の事業決定時の代替案比較検討、地下二層構造での種別ごとのホームとな
ったこと他について、住民や鉄道利用者への説明が具体的にどのように行われたか、こ
うした経緯をより情報公開されるべきである。このような視点なくして、判決の趣旨の
反映にはならないであろう。