(パブコメ案件の情報元)


2004年5月20日
北区都市整備部都市計画課 御中
 全国鉄道利用者会議関東支部長                    
清 水 孝 彰

 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、北区ニュース4月20日号にて情報のありました、王子・上中里・田端各駅 周辺交通バリアフリー基本構想(中間まとめ)について意見を述べさせて頂きま す。
 全国鉄道利用者会議は、鉄道等の交通体系における諸問題を利用者の立場から検 証し、その解決・改善に向けての活動を行っている団体です。当会関東支部ではこ れまで、東京に唯一残るLRTである都電荒川線の利便性向上と、都電を活用した 沿線の活性化に関わる活動を継続して参りました。今回の基本構想の対象のうち、 王子駅は都電荒川線の最も重要な交通結節点となっているため、王子駅の移動円滑 化は都電の活性化に不可欠であるとの認識に立ち、以下の意見を申し上げる次第で す。

1.交通ネットワークと旅客施設利用者の参画について
○2002年度の全体構想及び東十条駅周辺構想の策定過程では、協議会への参画やア ンケートの対象が町会等のみであったが、今回の策定過程では、計4回に渡る懇談 会を「北区ニュース」で公募し、構想策定段階から区民の参画を図ったことは評価 に値するものである。しかし、駅周辺を中心とする区内在住者の参画しか図られな かったため、重点整備地区や特定経路の選定等において、「中間のまとめ」は旅客 施設利用者の視点が希薄になってしまったことは残念でならない。王子・上中里・ 田端駅は足立区や荒川区の利用者が多く、王子駅のように都外から利用者が流れ込 む駅もあるため、基本構想及び事業計画の策定には旅客施設利用者の参画が不可欠 である。
○中でも、交通安全特定事業として違法駐輪の取締りがあるのに対し、その受け皿 となる駐輪場の整備は「事業実施に際して配慮すべき事項」とされ、事業化されて いない。また、自転車の代替交通として都電やバス(都バスやコミュニティバス) の利便性を向上する事業も計画されていない。利用者の旅客施設へのアクセス手段 を適切に確保する事業を計画しなければ、違法駐輪が取り締まりのない場所に移動 するだけで、いたちごっこが続き、問題解決にはならない。足立区や荒川区からの 流入等、交通ネットワークを十分踏まえた事業を計画することが不可欠である。

2.王子駅と都電荒川線について
○JR王子駅、東京メトロ王子駅、都電王子駅前は同一駅である。全体構想や「中 間のまとめ」では事業者別に評価しているが、1つにまとめて評価しなければ、乗 り継ぎ経路の円滑化を計画的に進めることはできない。乗継円滑化措置は鉄道事業 法の重要課題であり、特に異なる事業者間での乗り継ぎは、高齢者・障害者に限ら ず困難な場合が多い。鉄道2事業者・地域乗合路線バス2事業者・軌道1事業者の ほか、障害者スポーツセンターの送迎バス、多方面からの高速バスの乗り入れる王 子駅は、区内では乗換が最も円滑にできない駅の代表であり、事業者間の乗継経路 の円滑化は北区の都市計画行政の責任において、これを円滑化すべく計画を策定す る必要がある。
○本来の交通バリアフリー(移動円滑化)とは、LRTやノンステップバスのよう な誰もがつかいやすい公共交通機関の充実化を図り、アクセス性を高め、環境負荷 の少ない安全で円滑な移動を確保することにある。とりわけ、都電は他の公共交通 以上に高齢者の利用が多く、王子駅で乗り換える都電利用者は大変多いという現状 がある。また、王子駅は都電から車いすで乗換が可能な唯一のJR駅であり、都電 からエレベータで乗換が可能な唯一の地下鉄駅でもあるため、都電利用者の乗換経 路の円滑化は重要な意味を持つ。都電を全体構想に位置づけるよう、2002年度のパ ブリックコメントの際に意見を提出したが、北区がその意見を反映することなく、 今回の王子駅周辺構想でもその姿勢を貫いたことは誠に遺憾である。都電を全体構 想及び王子駅周辺構想に明確に位置づけ、王子駅前電停及び飛鳥山電停を中心とし た経路の円滑化を図り、都電の活用促進に寄与する構想とするよう、重ねてお願い するものである。

<個別事業の提案>
(1)JRから東京メトロ、都電、バスの乗り換え案内標識は、JR改札内ホームか ら連続的に配置する。
 東京メトロ、バスに乗り換える場合と、都電に乗り換える場合では出口が異なる ので、ホーム上からの連続的な案内標識は不可欠である。

(2)バス停案内は、北口バスプール内にないバス停、具体的には都バス豊島5丁目 団地・池袋方面、障害者スポーツセンターへのバス停の案内をわかりやすく表示す る。また、バス停での車両からの車外音声アナウンス、または停留所ポールからの 音声アナウンスを実施する。

(3)バス停にJR、東京メトロ、バスの乗り換え案内標識がないため、設置する。

(4)都電王子駅前電停にJR、東京メトロ、バスの乗り換え案内標識がないため、 設置する。

(5)都電王子駅前電停は、明治通りより南に入り込んだ位置にあり、電停の位置自 体がわかりにくく、またホームが行先別に分かれているため、早稲田方面と三ノ輪 橋方面がそれぞれどちらのホームかを、ホームに入る手前から標識で案内し、利用 者が間違えないようにする必要がある。

(6)都電の8500型には携帯折りたたみ式スロープを搭載する(他の車両は段差 が低く電停で対応できないため)。

(7)JR北口と中央口・都電電停間を平面移動できるよう、明治通りのガード脇 (歩道橋下)に横断歩道と歩行者用音声信号を設置する。
 JRから都電への乗換口は中央口であるのに対し、JRの公共交通特定事業は北 口に集中しており、現在の事業計画では都電が取り残されることになる。中央口に エレベータを設置するという方法もありうるが、設置スペースや費用の問題がある ため、都電電停とJR北口の移動を円滑化する方が効率がよい。都電王子駅前電停 から北区役所方面(区道2)へのアクセスも向上することになる。さらに、JRの 長距離きっぷや定期券は北口でしか購入できないという事情や、北口から飛鳥山公 園へのアクセス向上等の点からも、明治通りによる南北の分断は解消する必要があ る。以上のように、この場所に横断歩道と歩行者用信号を設置するメリットは計り 知れないものがある。

(8)明治通り・本郷通りのT字路(都電飛鳥山電停前)は、自転車専用となってい る横断帯を歩行者も横断できるよう、横断歩道と歩行者用信号を設置する。
 本郷通りを挟んで、飛鳥山公園の入口にはスロープが整備済みであり、向かいに は都電飛鳥山電停(バリアフリー対応済み)があるが、道路を横断する手段が現状 では歩道橋しかない。都電の利便性を向上すべく、道路を横断可能とするよう求め たい。

以上


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