全国鉄道利用者会議
代表 武田泉

平素より都営交通事業につきましてご理解ご協力をいただきましてありがとうござい ます。先日、お寄せいただきましたご要望につきまして、ご回答申し上げます。

 荒川線(6152号車)の譲渡方針にを白紙に戻し、営業運転もしくは動態保存をとのご 要望ですが平成12年12月の運転休止以来、交通局といたしましてもブレーキの改修に よる再運行を含めた車両の取り扱いについて検討を重ねてまいりました。しかしなが ら、現在の東京都交通局における軌道事業は、年々利用者数の減少、機器の老朽化に よる保守費用の増大といった厳しい状況下にあり、局としても人件費やコストの縮減 に努めているところであります。このような状況下では、ブレーキ等の改修費用が多 大であること、老朽化による維持コストが増大することなどから、一球さん号の再運 行は不可能と判断いたしました。
 また、車両を保存する為には、保存スペースならびに施設が必要となります。また、 設置後も防犯対策や維持管理が必要となり人員や財政的な負担が生じることから、動 揺に困難と判断しました。
 しかしながら、一球さん号は都電全盛期の面影を残す車両として都民の皆様から愛さ れ、保存の要望も多いため、交通局としても一球さん号をこのまま処分してしまうの ではなく、軌道事業の経営を圧迫ぜず歴史的資産として将来へ残す方法を検討をして ましりました。そこで、この度広く保存・展示を行っていただける施設等を公募する こととした次第でございます。
 今回の公募の結果、合計7名様のご応募をいただきました。局内で各各について検 討いたしました結果、荒川区(荒川遊園内)に譲渡することとしました。
 荒川区はまさに都電のお膝元であり、地元への貢献度の面から見ても、一球さんの 展示にはふさわしい場所と考えております。荒川区も地元のかたがたとともに一球さ ん号を大事に保存していただけるものと思います。
 どうか、一球さん号の取り扱いにつきましてはご理解いただき、一球さん号の第二 の人生を見守っていただきたく存じます。

※運行再開のためには、台車新造、主電動機更新、空気配管更新などあわせて約3000 万円がかかる見込みです。さらに、運行を続けるためには、その後制御機更新、車体 修繕が必要となります。

平成14年3月26日

                            

東京都交通局経営企画室                              
 総合計画担当課長                              
  小椋  守                             
 電話03−5320−6010


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