2003/6/19

東京都都市計画局防災都市づくり推進課 御中

「防災都市づくり推進計画」の改定についての意見・提案

清水孝彰

 

1.目的(性格・位置づけ)について
 今回改定対象となる現在の「防災都市づくり推進計画」は、市区町村都市計画マ スタープランの策定に先立つ時期に策定され、内容的にもハード整備のメニューを 細かく規定するものであったため、本来住民参加で策定されるはずの都市計画マス タープランに現在の計画が縛りをかける結果を招いてしまった。
 現在の計画には、「重点整備地域の整備方針を関係区市のマスタープラン、地域の 整備方針に反映させるものとする」と規定されているため、重点整備地域について は都市計画マスタープランに住民の意見が反映されず、都の計画をそのまま受けざ るを得ないという事態を招いたのである。
 都市計画マスタープランは策定過程で住民意見を反映させる機会が都市計画法に より保障されており、都市計画関連では最も民意が反映された形で策定される。 従って本計画が、都市計画マスタープランの内容を拘束するものではなく、都市計 画マスタープランを基礎として策定されるという旨が、本文で確実に記述されるこ とが大変重要である。
 現在の計画が招いた矛盾・拘束の反省の上に立ち、今回は都市計画マスタープラ ンや各種計画と本計画との関係・位置づけ体系図を本文の始めの方に記述し、策定 の根拠や他の関連計画との相互関係を明確化しておくことが必要不可欠である。

2.延焼遮断帯について
 延焼遮断帯が3区分されており、鉄道と4河川以外の河川はすべて「一般延焼遮 断帯」とされているが、幅の広い道路の新設や拡幅は地域コミュニティの分断など 様々な問題を招き、ソフト面の防災機能を弱めかねない。延焼遮断帯は道路一辺倒 で整備するのではなく、下記のような鉄道や河川を「骨格防災軸」「主要延焼遮断 帯」に格上げする形で有効利用を図り、道路整備を見直すことを提案する。
 とりわけ、鉄道沿線の不燃化や緑化による延焼遮断機能向上は、鉄道自身の防災 性向上にも寄与する効果があるため、積極的に進めて頂きたい。
<延焼遮断帯としての整備区分案>
(1)「骨格防災軸」JR東海道線・東北線・新幹線沿線、中川沿川
(2)「主要延焼遮断帯」その他のJR沿線、綾瀬川・神田川・野川等の中規模河川沿川
(3)「一般延焼遮断帯」私鉄沿線、その他の一級・二級河川沿川

3.整備地域・重点整備地域について
 図5、図6だけではスケールが粗すぎるので、指定範囲が細かくわかるように地 域ごとの拡大図を公開して頂きたい。

4.「(3)重点整備地域の整備方針Bその他の施策展開」について
 民間事業者の誘導については、提案制度をまちづくり市民団体・NPOに活用し てもらうための支援を求めると共に、「諸手続きの時間短縮」という名目で住民参 加・合意形成をないがしろにしないようにすべきである。計画の初期段階ではむし ろ、住民参加・合意形成に必要な時間的余裕を積極的に確保すべきである。
 「住民の主体的な選択」「住民のニーズに対応」の記述内容は、従来になかった 踏み込みであるため評価しているが、ここに掲げられている記述や地域コミュニ ティの維持・育成などは、殊に防災都市づくりにおいては、「その他」という“付 属記述”ではなく、計画のメインにするべき内容ではないだろうか。
 また、今後策定する「整備プログラム」への住民参加を明記する必要がある。

5.整備プログラムについて
 延焼遮断帯や区画整理・市街地整備に関する記述の他、交通体系の整備に関する 記述を入れて頂きたい。
 市街地の復興や防災都市づくりには、人や物資を運ぶ公共交通の役割が大きく、 特に鉄道と舟運が重要な役割を果たすことは、阪神・淡路大震災で実証済みであ る。鉄道の耐震性向上や沿線の不燃化、防災船着場の整備と日常活用などについて 記述を追加し、これらを整備プログラムにて明らかにすることを提案する。


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